ジョーンズラングラサール(JLL)が10月21日に発行した、第2四半期のマーケットサマリーによると、東京の物流施設純需要は、上半期で80万m2超となった。
東京圏では、第2四半期にEコマース企業、3PL企業からの堅調な需要と新規供給によって、純需要は64万1000m2となり、2024年上半期では80万3000m2となった。
第2四半期の新規供給は合計60万8000m2となりストック(総賃貸可能面積)は前期比3%、前年比11%増加した。
空室率は9.6%で、4四半期ぶりの低下となる前期比0.4ポイントの低下、前年比2.3ポイントの上昇。東京ベイエリアの空室率は8.2%、内陸エリアは10.2%となった。
賃料は、月額坪当たり4638円で前期比横ばい、前年比2.0%の上昇。ベイエリアと内陸エリアはともに前期比0.2%増となった。
賃貸市場では堅調な需要が続いており、賃料の上昇が続くと予想される。一方で、大量の新規供給が続くことから、一部のサブマーケットでは賃料の低下圧力がかかる可能性があるとしている。
大阪圏では、第2四半期も物流施設に対する堅調な需要は継続し、新規物件への需要と既存物件の空室消化で純需要は6万6000m2となった。
新規供給はなく、ストック面積(総賃貸可能面積)も変わらず661万7000m2である。空室率は2.4%で前期比1.0ポイントの低下、前年比0.7ポイントの低下。大阪ベイエリアの空室率は1.3%、内陸エリアは3.6%となった。
賃料は月額坪当たり4126円で前期比横ばい、前年比1.3%の上昇となった。新築物件の高い賃料が全体の賃料を押し上げ、既存物件の賃料も新築物件に追随して緩やかな上昇となっている。
賃貸市場では2025年以降に内陸エリアで新規供給が増え、空室の増加傾向が続く見込み。大阪圏全体では空室率は6~8%程度に上昇すると見込んでいるが、好立地の物件はリーシングが進んでおり、竣工時の高稼働が予想される。
福岡圏では、第2四半期も福岡の物流施設に対する需要は堅調で、新築物件に対する需要によってネットアブゾープションは3万5000m2となった。
第2四半期は新規供給がなく、ストックも変わらず141万m2である。第2四半期末時点の空室率は3.0%で前期比2.5ポイント低下、前年比で1.8ポイント上昇している。
賃料は、第2四半期末時点の賃料は月額坪当たり3441円で前期比横ばい、前年比4.1%の上昇となった。新築物件の高い賃料水準が既存物件にも波及しながら上昇が続いている。
空室のある物件は少なく、既存物件の多くは高稼働が続いている。建設中の物件もテナントの内定が進み、需要がタイトな状況は継続すると予想される。
建築コストの上昇が続き、今後供給される物件は、既存と比較して高い賃料になる見通しだ。空室のない状況も、全体の賃料上昇に拍車をかけると予想されている。