不二家は11月18日、静岡県裾野市の富士裾野工場敷地内に50億円を投じ、天然水ボトリング工場を新設すると発表した。
現在富士裾野工場では、「ホームパイ」を中心とした主力商品において、工場地下およそ250mから汲み上げた富士山の天然水(ナチュラルミネラルウォーター原水)を使用している。この天然水を飲料水として供給するため、ペットボトルの成型からボトリング、包装まで一貫で行うことのできる生産ラインと、保管から出庫までを自動で行うことのできる自動倉庫を備えた天然水専用の工場を建設する。
なお、不二家はロングセラー飲料「ネクター」を1964年(昭和39年)に発売するなど、60年を超える長きにわたり飲料事業に携わってきた。また、富士裾野工場では2016年(平成28年)より菓子「ホームパイ」の仕込み水として、工場地下より汲み上げた天然水を使用している。この天然水を活用し飲料水市場に参入することで、同社飲料事業のさらなる拡大を図るとともに、今後想定される大規模災害発生時に飲料水を供給することを目指す。
国内では、2024年1月に発生した能登半島地震をはじめ、台風、大雨等各地で発生し甚大化する自然災害を契機に防災の意識はさらに高まっている。同社においても、天然水ボトリング工場を新設することで、災害支援に協力する体制を整備する。
■天然水ボトリング工場概要(予定)
所在地:静岡県裾野市須山字平垣1220-19 不二家富士裾野工場敷地内
建築面積:約5744m2 (約1737坪)
延床面積:約9530m2 (約2883坪)
投資費用:約50億円
生産能力:約9000本/時間(2リットル)
生産設備:ペットボトル成型機、ボトリングライン
付帯設備:自動倉庫
生産品目:2リットルペットボトル(予定)
スケジュール:2024年11月着工、2025年12月稼働(予定)