トランコムは11月19日、臨時株主総会で株式併合に関する議案並びに単元株式数の定めの廃止及び定款の一部変更に関する議案を付議することを決議したと発表した。
これにより、同社の普通株式は、手続の過程において、東京証券取引所及び名古屋証券取引所の有価証券上場規程に定める上場廃止基準に該当することになる。
同社株式は、2024年12月20日から2025年1月14日までの間、整理銘柄に指定された後、2025年1月15日をもって上場廃止となる予定。上場廃止後は、同社株式を東京証券取引所プライム市場及び名古屋証券取引所プレミア市場において取引することはできない。
なお、株式併合について、2024年9月17日に公表した「MBOの実施及び応募の推奨に関するお知らせ」に記載のとおり、BCJ-86(公開買付者)は、株式の全て(ただし、本新株予約権の行使により交付される株式を含み、不応募合意株式、BBT所有株式及び同社が所有する自己株式を除く)。及び本新株予約権の全てを取得することにより、いわゆるマネジメント・バイアウト(MBO)のための一連の取引の一環として、株式及び本新株予約権に対する公開買付けを実施することを決定したもの。
公開買付者は、Bain Capital Private Equity, LP が投資助言を行う投資ファンド及びそのグループ(ベインキャピタル)により議決権の全てを間接的に所有されているBCJ-85-2(公開買付者親会社)の完全子会社であり、同社株式を所有し、同社の事業活動を支配及び管理することを主たる目的として2024年9月6日に設立された株式会社とのこと。
同社は、これまでも様々な成長施策を検討してきたが、物流業界全体が大きな課題を抱える中で、更なる成長及び企業価値向上を実現するためには、経営課題を解決するための抜本的な施策の検討が必要であると考えるようになり、2023年9月頃から、事業会社との提携や株式の非公開化を含む、資本政策の検討を開始した。
その後、抜本的な施策を実行した際には、中長期的に見れば企業価値向上が期待できるものの、多額の初期投資や継続的な投資が必要となることに加え、新たなビジネスを創造する上では、計画通りに事業が展開しない事業遂行上の不確定リスクも存在するため、短期的にはグループの収益及びキャッシュ・フローに悪影響を与える可能性があるとの考えに至った。
かかる施策を、上場を維持したまま実施すれば、短期的には資本市場から十分な評価が得られず、株式の市場価格の下落といったマイナスの影響を及ぼし、少数株主に対して不利益を与える可能性を否定できないと考えたことから、非公開化した上で、経営課題に取り組むことが有力な選択肢ではないかと考えるようになった。
この検討は、創業家であり最大株主(武部氏が株式の全てを所有するAICOHを通じた間接所有分を含む。以下同じ。)である取締役会長の武部氏とも協議しながら進めてきた。そして、同社の強みを最大限生かして成長していくためには、その強みの源泉であると認識する物流情報サービス事業の独自性や企業カルチャーをよく理解した現経営陣によって、企業としての独立性を維持しながら経営にあたっていくことが不可欠であり、他の事業会社の傘下となった場合には、かかる強みが喪失されるリスクがあると考えたことから、創業家であり最大株主である武部氏が、非公開化後も引き続き大株主となる形でのマネジメント・バイアウト(MBO)が、同社を非公開化する場合に最善の方法であるという考えに至った。
また、今後事業環境が大きく変化していく中、グループがそれに対応していくため、取締役会長である武部氏が、中長期的かつ大局的な視点から経営方針や資本政策、海外戦略の策定・推進などに関わっていくことに加えて、重要取引先との連携・取引関係の深耕においても責任のある役割を担いながら事業成長に向け経営全般に関わっていくことが適切であるとの考えに至ったところ、これらの考えについて、同社と武部氏との3間で認識が一致した。
トランコム/AZ-COM丸和HDと資本提携解消、業務提携継続