第一生命保険が、全国の小学生・中学生・高校生 計3000人を対象に行った、第36回「大人になったらなりたいもの」アンケート調査結果によると、小学生女子で「パティシエ」、小学生男子と中高生で「会社員」が5年連続で1位をキープ、小学生男子で「運転士/ドライバー」が8位にランクインした。
小学生男子のランキングでは、「サッカー選手」人気を逆転し「野球選手」が3位(9.5%)にランクイン。また子どもたちに「憧れの人」を聞いたところ、大谷翔平選手が1位(163票)、このほかプロ野球選手は最も多い35名の名前が挙がったという。
「運転士/ドライバー」も8位(3.6%)にランクイン。鉄道の運転士や、トラック・タクシーのドライバーなど、好きな「乗り物」の仕事をしたいと考える人が多いようだ。
ドライバーの人手不足が課題となるなか、自動運転などの課題解決への研究も進んでいる。システム開発やデータ分析など、DXと切り離せなくなっていく未来の交通・物流業界で「超・デジタル」世代の子どもたちの活躍が楽しみな結果となった。
一方で、中学生の部、高校生の部のアンケート結果では、「運転士/ドライバー」は10位以内に入っていない。男女とも「会社員」や「公務員」が3位以内に入っている。
さらに今回初めて、アンケートに協力した子どもたちのお父さん・お母さんにも子どもの頃に大人になったらなりたかったものを聞いたところ、お父さんのランキングでは、小学生のランキングでも3位となった「野球選手」が1位(16.8%)。「運転士/ドライバー」も5位(5.3%)に入っている。
今回の調査では、20代を中心とする「Z世代」の次、主に2010年以降に生まれた世代を指す「α世代」の価値観や将来像が浮かび上がってくる。第一生命研究所の研究員によると、α世代のポイントは「チャレンジ精神」と「超・デジタル」。今回初めて高校生男子の上位に「社長/起業家」がランクインしているのが特徴で、その背景として日本が推進する「アントレプレナーシップ教育(アントレ教育)をあげている。
アントレ教育とは、様々な仕事がAIやロボットなどに置き換わることが予想される未来を見据えて「自ら社会課題を見つけ、課題解決に向かってチャレンジしたり、他者との協働により解決策を探求したりすることができる知識・能力・態度を身に付ける」ことを目指すもの。
2つ目のポイントは「超・デジタル」。α世代はAIやVR(仮想現実)なども含めた「超・デジタル社会」で成長することとなり、「今回の調査結果では『超・デジタル社会』が子どもたちにとって身近になってきた様子がうかがえる」と分析している。