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国内の物流ロボット市場/2024年は前年度比13.1%増の404.3億円

2025年03月11日/調査・統計

矢野経済研究所は3月11日、物流ロボティクス市場に関する調査を実施し、その結果を発表した。

<物流ロボティクス市場規模予測>
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それによると、2024年度の物流ロボティクス市場規模は前年度比13.1%増の404億3000万円の見込み。ロボットのラインナップが拡充すると共に物流現場への導入が増加したほか、一案件あたりのロボット導入コストも上昇傾向にあるためだ。

昨今の動向としては、倉庫賃料の上昇を背景に保管効率が求められるようになり、天井近くまで高密度な保管を実現するロボット自動倉庫の需要が増加した。また、ロボット1台で複数の商品ケースのピッキング・搬送を可能にするACRが日本市場に登場したことで注目を集めている。

市場に展開されるロボットのラインナップが増加したことで、物流現場での自動化の選択肢が増える一方、海外メーカーの日本市場参入も引き続き活発化しており、物流ロボットメーカーの競争は激化している。

なお、これまで大規模投資が必要となるロボットの導入は荷主企業が中心となり行われていたが、昨今は物流企業自身がロボットを現場に導入するケースも増加している。また、物流ロボットを購入ではなくサービスとして利用するRaaS(Robotics as a Service)展開が増えたことや、各種補助金が追い風となり、中小企業のロボット導入も徐々に見られるようになっている。

さらに、これまで消費者寄りの物流倉庫・小売や卸の物流センターへの導入が多かったが、工場横倉庫・パーツセンターなど工場寄りの倉庫にロボットが導入されるケースも見られ、物流ロボットが導入される現場が広がる傾向にある、としている。

将来展望では、物流ロボティクス市場規模は2027年度に733億3000万円、2030年度には1238億円になると予測する。欧州や米国をはじめとする海外では、物流ロボットの導入が進んでいる。背景には、日本と同様に少子高齢化少や労働力の減少があり、それに加えて物価や人件費の高騰がある。

日本においても、地域によって人手不足は既に深刻な状況であり、物流現場での作業を自動化せざるを得ない状況になっていくものと考える。

また、今後は将来的に人手が減っていくことを見据えると、物流ロボットの活用を前提とした物流センター・物流倉庫の構築が必要であり、ロボット導入率が向上していくと見込まれる。こうした事業継続性を考えた上での導入のほか、荷主企業・物流企業ともに自社のビジネス拡大に向け、戦略的に物流ロボットの導入を進めるケースも増えていく見通しである。こうした背景から、2030年度の物流ロボティクス市場規模は1000億円を超える規模になると予測している。

<物流ロボティクス市場含まれるロボットの定義>
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