日本郵船は4月7日、メタノールを使用できる主機および軸発電機を搭載した環境対応VLCC(大型原油タンカー)を、出光タンカーへ長期傭船する契約を締結、同船の建造を日本シップヤードに発注したと発表した。
同船は、日本郵船が出光タンカー、飯野海運、日本シップヤードとともにデザインコンセプト開発に取り組んできた次世代環境対応仕様VLCC。日本と中東をつなぐ主要航路、マラッカ海峡を通峡できる最大船型となる。
メタノールは温室効果ガス(GHG)排出量削減への貢献が期待できる次世代燃料で、重油を使用した場合に比べて二酸化炭素(CO2)排出量を約15%削減できる。
またバイオマスを原料として製造されるバイオメタノールや、再生可能エネルギー由来の水素と回収されたCO2を利用して製造される合成メタノール(e-メタノール)といったグリーンメタノールを使用することで、一層のCO2排出量削減が期待できる。
日本郵船は2023年に「NYK Decarbonization Story」を発表しており、2050年までのGHG排出量ネットゼロ達成を掲げている。
同船は、自社VLCCとして初となる最新鋭のメタノール対応二元燃料主機に加え、大型軸発電機による自家発電能力を備えており、脱炭素化へのフラッグシップとして、これからの原油輸送を担うこととなる。
■概要
全長:339.5m
型幅:60.0m
満載喫水:21.0m
満載載貨重量:約31万トン
燃料:メタノールおよび重油
その他環:境対応仕様 大型軸発電機搭載
建造造船所:日本シップヤード/ジャパン マリンユナイテッド
傭船者:出光タンカー
竣工予定:2028年
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