日立製作所は9月10日、ケーエスケーと医薬品の配送業務のDXに関する協創を開始したと発表した。
医薬品卸売業を担うケーエスケーは、日立のLumadaソリューション「Hitachi Digital Solution for Logistics(HDSL)」を活用し、現場熟練者の経験やノウハウをもとに手作業で行っていた配送関連の業務をデジタル化するとともに、配送・作業実績のデータを一元管理することにより、ドライバーによる出荷時の検品、配送、納品の一連の業務の効率化を図る。
具体的には、大阪府大阪市にあるケーエスケーの大阪支店において、HDSLを統合物流管理システム「HITLUSTER」と連携させて医薬品出荷時の倉庫内での荷合わせ検品、および得意先での商品受領のデジタル化と、これらを含む倉庫・配送業務の実績データを活用した配送計画の自動化や配送管理について、実用化に向けた試験運用を2025年9月から開始する。リアルタイムに一元管理された現場データを収集・分析するサイバーフィジカルシステムの実現により、現場作業の効率や品質を向上させるとともに、管理業務の高度化につなげる。
将来的に、ケーエスケーと日立は、今回、大阪支店で導入する医薬品の倉庫内での出荷時の検品、および得意先での商品受領行為のデジタル化をケーエスケーの全32支店に展開する予定だ。
なお、ケーエスケーはこの協創を、物流のスマート化の推進に向けた取り組みの一環と捉え、さらなる業務の効率化・最適化をめざす。外部環境の変化に対応できる物流体制を構築するとともに、今後、業務効率化やDX、SDGsの達成を一層推進し、社会への価値提供をめざす。
日立は今後、HDSLをさらに活用することで、ケーエスケーの物流センター、倉庫、営業所、得意先物流網全体で配送計画の最適化を行い、持続可能な物流を実現する。また、サービスを日立のドメインナレッジとAIを用いてデータを価値に変換し、顧客や社会の課題解決に取り組むLumada 3.0として進化させ、物流・配送のさまざまなITやOT(制御・運用技術)ソリューション、プロダクトと組み合わせてサプライチェーン全体をシームレスにつなぐことで、フロントラインワーカーの生産性向上や働き方の改善、およびサステナブルな経営に貢献していく、としている。