NECは3月28日、映像AI技術で現場の状況をデジタル空間上に再現するデジタルツイン基盤と、現場可視化アプリケーション群の販売を開始する。
デジタルツイン基盤「NEC Digital Twin Platform」と、アプリケーション群「NEC Digital Twin 作業行動可視化アプリケーション」「NEC Digital Twin モノの流れ可視化アプリケーション」「NEC Digital Twin 人・モノ・トラッキングアプリケーション」の4種類。
製造業や物流業などの現場では人手不足の問題が深刻化する一方で、顧客ニーズの変化に伴う多品種少量生産へのシフトが進行している。このために現場では、効率化や省人化、生産性向上のニーズがより一層高まり、品質管理の徹底が求められている。
こうした課題に対応した現場マネジメントのDX化を推進するため、映像AI技術を活用して、現場のさまざまな事象を映像AIで捉えてデータ化、デジタル空間上に再現するデジタルツインソリューションを提供する。
これまではデータ化が難しかった人や物の動き、周辺環境といった現場の出来事を高精細に補足できるようになり、現場で実際に起きていることや起きたことに基づいたマネジメントの変革が可能になるという。
<デジタルツイン基盤「NEC Digital Twin Platform」イメージ>
「NEC Digital Twin Platform」は、映像AIを活用して、デジタル空間上に現場の様子を再現するデジタルツイン基盤。データを多角的に表現でき、現場で起きたこと・起きていることを包括的に把握できる。
また、映像AIエンジン、データ活用アプリケーション、分析サービス、他システム連携機能などを組み合わせることで、顧客のニーズに応じたソリューションを提供。システム導入後もさまざまなアプリケーション、ツール、エンジン等を追加することもできる。
<NEC Digital Twin 作業行動可視化アプリケーション>
「NEC Digital Twin 作業行動可視化アプリケーション」は、製造工場や物流倉庫などの現場を映像AIで自動的に認識することで、現場作業の作業内容を自動で判別し、作業時刻や作業状況を自動でデータ化するというもの。
NECのAI技術である行動解析技術を用いることで、多様な作業の内容を高精度かつ自動的に把握でき、作業分類別、作業者別、エリア・場所別などで自動集計もできる。また過去の現場映像にさかのぼり、その時に行われた作業状況を確認することも可能だ。
<NEC Digital Twin モノの流れ可視化アプリケーション>
「NEC Digital Twin モノの流れ可視化アプリケーション」は、製造工程や在庫エリアを撮影した映像から仕掛品や部材、中間在庫の動き、流れなどを自動的に認識しデータ化する。
ARマーカーを使用した個体識別により、工程間やエリア間での物の動きや滞留時間を正確に把握し、物の流れに着目したプロセスの改善点を明確化できる。これにより、部材や仕掛品・中間在庫等の適正化や、生産計画との乖離是正にも貢献する。
<NEC Digital Twin 人・モノ・トラッキングアプリケーション>
「NEC Digital Twin 人・モノ・トラッキングアプリケーション」は、現場に設置したカメラで製品や部材、作業者に貼ったマーカーを撮影することで、それらの位置を自動でデータ化する。
カメラとマーカーの位置関係から、三次元座標で位置を取得するため、棚の格納位置や資材の積み上げなどにも対応した精密な測位が可能だ。また、電波機器を使用せず測位するため、電波の反射・混信、他機器への影響などを考慮する必要がないのも特徴となる。
NECは新たに販売するデジタルツイン基盤およびアプリケーション群について、今後3年間で約20億円の売上を目指すとしている。
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