セイノーHDは12月2日、愛知県と新城市、NEXT DELIVERY、グリーンサービス、Prodrone、愛知東農業協同組合とともに行った実証実験を公開した。
実験は、愛知県新城市にて、物流ドローンを活用した「新スマート物流」の長期事業化に向けた調査を行ったもので、11月17日から12月19までの約1か月間実施する。ドローンといった次世代空モビリティの社会実装早期化などを目的とした「あいちモビリティイノベーションプロジェクト」の取り組みの一環だ。
実証実験を通じて、複数の荷主の商品を積み合わせて、同じ納品先に配送することを目指す「荷物の集約化」と、迅速な配送やコスト削減が期待される「ドローン物流」を組み合わせた「新スマート物流」の導入可能性を検討する。
「新スマート物流」は、荷物の集約拠点となるドローンデポを設置し、物流事業者や地域小売店等の商品を集約したのち、陸送と空送で効率的に配送するというもの。今回の実証実験では、NEXTDELIVERY と地域の配送事業者であるグリーンサービスが主体となって実施、セイノーHDがその基盤づくりと既存物流の共同配送・集約による物流最適化の検討を担う。
<物流専用ドローン「AirTruck」に荷物をセットする様子>

愛知県は2023年5月に「革新事業創造戦略」に基づく官民連携プロジェクトの第1号として、「あいちモビリティイノベーションプロジェクト「空と道がつながる愛知モデル 2030」」を立ち上げ、2024年度には新城市の鳳来地域において、物流ドローンを活用した配送サービスを住民へ約1か月間提供する実証実験を実施。
その際、ドローンの機体性能による配送重量の制限、着陸後の荷受へのラストワンマイル配送および料金徴収のオペレーション構築が課題として抽出された。
今回の調査では、課題解決に資するオペレーションで実験を実施、住民のニーズに基づく内容とすることで、より実効性のある事例を創出する。
実験では、NEXT DELIVERY が山梨県小菅村から遠隔運行管理を実施。現地での機体管理、補助者業務はグリーンサービスが行う。
使用する機体は、物流専用ドローン PD4B-M-ANとAirTruckの2機体。PD4B-M-AN は、ProdroneとNEXT DELIVERYの親会社エアロネクストが共同開発した物流専用ドローンで、今回初の実地飛行となる。
11月28日に実施した飛行で利用したルートは、通常車で約25分かかる山道。これを、遠隔運行ドローンを用いて約13分で運行した。
荷物をドローンで受け取った地域住民の竹下勝之さんは、「大雨が降ると土砂災害で通行止めになり孤立する場所なのでドローンで食料品や医療品など運んでもらうと助かる」とコメントした。
エアロネクスト/独自の機体構造設計技術搭載した新開発物流専用ドローン発表

