三菱重工業は11月13日、キリンビバレッジ・キリングループロジスティクスとともに進めてきた、飲料倉庫での入出庫やトラック荷積み・荷降ろしの自動化に関する要素技術確立を目指す共同実証を完了したと発表。今後は、実用化を目指して開発・検証を進める。
共同実証は2024年8月から、三菱重工業が横浜市の本牧エリアで運営するものづくりの共創空間「Yokohama Hardtech Hub（YHH）」内の実証施設「LogiQ X Lab（ロジックス・ラボ）」や、愛知県にあるキリングループロジスティクス西名古屋支店などで実施した。
共同実証では、さまざまな機械システムを同調・協調させる三菱重工の標準プラットフォーム「ΣSynX（シグマシンクス）」を適用した「かしこく・つなぐ」ソリューションの一環として、ΣSynXの搭載を目指して開発中の新型無人フォークリフトを活用し、倉庫作業での適切な荷揃え、配置替えや保管状況に応じた走行ルートの変更、高効率の保管方法といった、柔軟な自律運転や安全な人機協調作業を実現するべく、要素技術の確立を目指した。
＜ΣSynXを適用した「かしこく・つなぐ」ソリューション＞
共同実証を経て、将来的にトラックからの荷降ろし、倉庫内荷役、トラックへの荷積みという一連の荷役作業を自動化するためのプロセスを確立し、物流現場での実効性を検証することができたとしている。
三菱重工業では、オペレーターのノウハウや熟練技術によって安全かつ効率的に行われていた従来の物流倉庫作業を「ピッキング」「入出庫」「トラック荷積み・荷降ろし」の3領域に分けて、ΣSynXで自律化・知能化する取り組みを順次進めており、倉庫内の荷役を担う「自動ピッキングソリューション」は、神奈川県にあるキリングループ海老名物流センターで2024年12月から稼働している。
