NXHDは6月20日、日本通運が韓国の釜山をハブとした国際輸送BCP（事業継続計画）サービスを開始したと発表した。
南海トラフ地震など大規模災害発生時に物流を止めないために、全国の拠点と釜山をつなぎ、釜山から全世界の最終仕向け国へ輸送する。
＜釜山をハブとした国際輸送スキーム＞
新しい国際輸送サービスでは、日本通運が持つ全国2130拠点・1050倉庫というネットワークを生かし、被災を免れた拠点や動線を活用する。
日本各地の倉庫で荷受け・通関後、釜山へ転送。NX韓国の釜山港倉庫（NX韓国BGLC倉庫）をハブとし、保税在庫管理や仕分けを行い、欧米・アジア・中東・アフリカなど世界各国への輸送ルートを確保する。
釜山から仁川空港を経由して航空便を利用することもでき、緊急時の多様な輸送ニーズに対応する。
これらのルートは輸出だけでなく、海外から日本への輸入にも利用できる。
また、これまで複数の輸送・保管工程ごとに個別の貨物保険が必要だったが、新サービスでは損害保険ジャパンと連携し、1件の包括保険で日本から釜山、釜山から世界各地まで一貫輸送をカバーできるようにした。
近年、南海トラフ地震の発生リスクが高まる中、日本の主要港湾は太平洋沿岸に集中している。特に東京・横浜・神戸・名古屋・大阪の上位5港で日本全体のコンテナ取扱量の約70％を占めており、これらの港が被災した場合の甚大な影響が課題だった。
そこでNXグループは、全国の拠点網と海外ネットワークを生かし、地震や津波による物流寸断を回避しようと、災害時にも柔軟かつ迅速に物流を維持できる体制の構築を進めてきた。
