国際ドローン協会（IDA）は9月30日、登山道を歩いてしか行けない八ヶ岳の山小屋「赤岳鉱泉（長野県茅野市）」にドローンで30kgの物資輸送を行い、成功させたと発表した。
山小屋を運営する人や登山道を整備する人たちの負担を軽くする、「山の物流」の取り組みが始動した。
＜今回のプロジェクトのメンバー＞
＜物資輸送の様子＞
物資輸送は8月と9月、IDAと八ヶ岳赤岳鉱泉・行者小屋が実施。
8月14日は、IDAが麓から約6.7km、標高2200mにある赤岳鉱泉まで、30kgの果物をドローンで運んだ。本来なら人が背負って2〜3時間かかる道のりを、ドローンはわずか7分ほどで飛行。
大型バッテリーやGNSS機能、風にも強い安定した構造により、バッテリーを交換することなく正確に山頂まで荷物を届け、往復を完了した。
9月23には、赤岳鉱泉からさらに山奥にある行者小屋までの登山道で、壊れてしまった箇所を直すための資材をドローンで運んだ。
細く滑りやすい山道では、資材を手作業で運搬するのは容易でなく、特に重たい木材や工具を何度も往復して運ぶ作業は、負担が大きかった。そこでIDAは、荷物を上空からウインチとワイヤーを使い、目的の場所にピンポイントで下ろした。
今後IDAは、赤岳鉱泉と地域の人々と共に、ドローンを使った「山の物流」を本格的にスタートさせる。食材、日用品、修理道具ほか、災害時の応急物資の運搬など、高齢化が進む山岳地帯での活用を目指す。
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