国土交通省は2月3日、「港湾運送事業における適正取引推進のためのガイドライン」を公表。「原価計算を提示したが一方的に低い運賃・料金を設定される」など法令違反となりうる取引について、望ましい取引形態を示すとともに、港湾運送業界や船社・荷主での具体的な取り組み例などを示している。
ガイドラインでは、第1章で「日本の物流の要である港湾運送事業は、労働環境の厳しさや人口減少などにより担い手不足が深刻化している」と指摘。その上で、物価上昇のみならず、労働環境改善などのための適正な価格転嫁に向けた取引環境の改善が必要であるとし、第3章で運賃・料金の設定や付帯業務の提供などに関して法令違反となりうる取引上の問題点と、望ましい取引形態を例示している。
「原価計算を提示したが一方的に低い運賃・料金を設定される」「運賃・料金の見直し協議を求めても運送委託者が応じない」「従量制運賃・料金で、運送委託者から追加作業員の要請があった場合の料金設定について協議に応じてもらえない」などの問題行為については、「運送委託者と運送受託者は、双方の事業環境や経済状況等について定期的に情報共有や意見交換を行う」「運送受託者は運送原価だけでなく必要な指標・データ等を活用し、価格転嫁の協議を行い、運送委託者は真摯(しんし)に応じ、価格転嫁の受け入れを検討する」などの望ましい取引形態を示している。
適正取引の実現に向けた港湾運送業界での具体的な取り組みについては、「運賃・料金協議では、適正な原価計算に基づくことを原則とし、各種割増料金も契約書等に明記できるよう協議を行う」「必要なサービスの提供を維持するため、港湾運送の魅力発信や向上に向けた取り組みを行い、雇用の確保に努めるとともに、労働環境の改善および生産性の向上を図るための自動化・遠隔化された荷役機械の導入などにも取り組む」などの例を挙げている。
船社や荷主については、「港湾運送での労務費上昇や人手不足などの事業環境についても十分に理解し、港湾運送事業者から運賃・料金に関する協議の申し出があった場合は真摯に応じ、十分な協議を踏まえて適正な運賃・料金を決定する。特に運送委託を行う船社は、港湾運送の費用を可視化したうえで、荷主などに対して適切な価格転嫁を行うように努める」「協議では、検討に必要な情報を運送受託者に示すとともに、回答に時間がかかる場合には回答予定時期を示すなど、協議の円滑な実施に努め、所定外日時の荷役に係る割増料金や貨物の波動性に対応した料金設定、運送依頼のキャンセルや変更時の費用負担関係を契約書等に明記する」ことなどを求めている。
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