アスクルが7月4日に発表した2012年5月期連結業績概要で、ヤフーとの提携によるBtoC事業化に伴う物流戦略について公表した。
<物流構築投資計画案>
物流構築投資計画案では、2013年5月期計画では、取得ベースで基幹センターに150億円、既存センター増強に50億円、既存センターの更新に20億円、物流システム更新に22億円としている。
地方拠点新設では、2014年5月期計画で取得ベースで20億円、2015年5月期計画で10億円、さらに首都圏増設では、2015年5月期以降計画で80億円としている。
2015年5月期以降の計画まで含めると、物流構築投資計画では、総額517億円もの規模となる。
基本である「BtoB+BtoC」のシナジー効果により、商品カテゴリーのシェアアップと取り扱い物流量アップを図ることで、仕入れ原価低減+物流コスト効率化により、収益性の飛躍的な向上を実現させるとしている。
戦略として、「顧客基盤拡大によるMROを含めたBtoB事業の成長加速」、「Yahoo! JAPANとの連携による新たなスマートコマース」、「BtoB+BtoCによる商品カテゴリのシェアアップ取扱い物流量アップ」、「Yahoo!ショッピングおよびYahoo!オークション既存店の物流・配送機能の受託によるフルフィルメント事業立ち上げ」を掲げている。
アスクルの物流構築の基本方針は、BtoBで培ったインフラ、ノウハウの共有とBtoC拡大によるスケールメリットの享受をもとに、継続的な物流コストの低減とサービスの進化を目指している。その先にあるのは、BtoB事業とBtoC事業の相互作用による競争力・収益性の向上だ。
同社は物流構築で、「垂直立ち上げへの対応」として、既存の物流センターの機能強化、既存のサプライチェーン管理システムの活用、既存の配送ネットワークの活用を挙げている。
さらにサービスレベルの維持・向上として、地方拠点の新設・基幹拠点の大型化による当日配送地域と当日翌日配送商品の拡大、独自の配送ネットワークによる省資源配送の拡大、稼働時間見直しによるスピード納品の実現を挙げている。
そして、収益性の向上(物流コストの低減)について、既存物流インフラのフル活用(マテハン見直し等)によるスケールメリット享受と業務効率向上、地方拠点の新設による配送費の低減、メーカーとの協業によるサプライチェーンの効率化を図る。