日本航空(JAL)は9月30日、電力を必要とせず、従来よりも定温維持能力の高い新型の定温コンテナを独自に開発・導入し、医薬品・生鮮品など定温輸送のニーズが高い分野でのサービスを強化すると発表した。
新たに開発したコンテナは、内部に真空断熱材を使用し、高性能蓄冷剤を冷媒とすることにより、従来型より長時間内部の温度を一定に保つことができ、高い定温維持能力を実現している。
このコンテナは高性能な定温機能を維持する一方で、経済性にも優れており、より多くの顧客のニーズに応えることが可能となる。
医薬品向けに15~25℃の室温帯の蓄熱剤を第1弾として導入するが、蓄熱剤を蓄冷剤に入れ替える事により、農水産物の保冷・冷凍輸送が可能となる。今後、海外での日本食ブームにより日本発輸出の増加が見込まれるなか、JALの輸送網を活用することによって地方の農水産物の需要を喚起することも見込んでいる。
なお、JALはこれまでも定温輸送に力を入れており、特に日本郵便と連携して開始した海外向け小口保冷宅配サービス、「クールEMS」の保冷容器などにJALが培ってきた技術を活かし、高品質なサービスを提供している。
■新型定温コンテナの概要
コンテナの自重(蓄冷剤含む):355kg
貨物搭載スペース:120x100x120cm
搭載可能重量:最大1000kg
設定可能温度帯:15~25℃
定温持続時間帯:約100時間
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