CBREは7月21日、賃貸大型物流施設の市場動向(2016年第2四半期)で、首都圏の空室率は8.9%に上昇も、新規需要は過去最高の11万坪となったと発表した。
2016年Q2の首都圏大型マルチテナント型物流施設(LMT)市場では、7棟、13万5000坪の新規供給があった。これは、過去最高を記録した2015年Q4に次ぐ規模。
3四半期続いた10万坪以上の大量供給の影響で空室率は8.9%と前期から0.6ポイント上昇したものの、首都圏の需要は力強く、7棟のうち4棟は満室での竣工となった。
アパレル業界や総合スーパーといった業種で需要が積み上がり、今期の新規需要は11万坪と四半期ベースで過去最高を記録した。
首都圏4エリアの空室率は、東京ベイエリアが前期比横ばい、外環道エリアは竣工物件の空室の影響で7.4%に上昇した。
国道16号エリアは大量供給の波の中でも安定感を示し、前期の8.8%から今期は7.8%に低下した。都心からもっとも離れている圏央道エリアは、19.7%と前期からさらに上昇した。
近畿圏では、1棟が満室稼働で竣工した。
既存物件でもeコマース関連の需要により空室が複数消化され、空室率は前期の3.4%から今期は1.9%まで低下した。
近畿圏でもeコマース企業による物流投資が増加している。
中部圏では、マルチテナント型の大型物件が相次いで竣工するのは来年以降だが、複数の物件で早くもテナントが内定し始めている。
このように早い段階からリーシングが進展したことは過去になく、大型の物流施設への需要の強さは予想以上といえる。