伊藤忠商事は10月3日、フィンランドの森林業界大手、メッツァ・グループと、新規事業投資を目的に設立されたMetsa Spring Oy社との共同出資によるセルロースファイバーのパイロットプラントを設立することで合意した。投資額は約4000万ユーロ(約50億円)。
<パイロットプラントの併設を予定しているMetsa Fibreのアネコスキ工場>
メッツァ・グループは、森林を基盤とする持続可能な生物経済と循環型社会の実現を目指し、針葉樹パルプを活用した新規事業の創出に向けて研究開発を進めてきた。
伊藤忠商事は、ファッション業界における欧米ブランドを中心とするサステナブルの潮流を受け、環境配慮型素材の取り扱い拡大に向けて取り組んでいた。
こうした中、独自製法による革新的なセルロースファイバーの基礎的な研究開発に成功したMetsa Fibreから伊藤忠商事に協力要請があり、試験開発段階における品質確認が完了したことから、合意に至った。
セルロースファイバーの生産においては、パイロットプラントをMetsa Fibreの工場内に併設し、パルプ製造からファイバー製造までの一貫生産体制を確立することで、安定的且つ低コストでの原材料調達を実現する。