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公取委/荷主と物流事業者の実態調査、今後、物流特殊指定違反に厳正対処

2006年03月02日/調査・統計

公正取引委員会は、「荷主と物流事業者との取引に関する実態調査報告書」をまとめた。

公取委では、荷主と物流事業者との取引における優越的地位の濫用行為を効果的に規制する観点から、平成16年3月、「特定荷主が物品の運送又は保管を委託する場合の特定の不公正な取引方法」(以下:物流特殊指定)の指定を行った。

その後、物流特殊指定に違反する行為がないか監視してきたところであるが、今後の物流特殊指定の運用に役立てるため、指定後の荷主と物流事業者との取引の実態を把握し、併せて問題が認められる場合には、関係事業者等に対し所要の改善措置を採るよう求める必要があると考え、調査を実施したもの。

調査対象は、物流事業者4,000社(回答数1,308社)と荷主6,754社(回答数3,527)を対象に書面調査を実施した。

調査では、一般に、物流事業者は、取引先荷主の数が少なく、また、特定の荷主に対する取引依存度が高い状況にあることから、荷主と物流事業者との取引においては、荷主が優越的地位に立つ傾向が高く、その地位を利用した優越的地位の濫用行為が生じやすいことがわかった。

このため、公取委では、平成16年3月、物流特殊指定を策定し、同指定に違反する行為がないか監視するとともに、親事業者を対象とした下請法講習会等を利用してその周知徹底を図ってきた。

また、昨今の原油価格の上昇に伴う燃料価格の上昇による物流事業者をめぐる厳しい情勢にかんがみ、昨年12月、荷主の立場に立つ関係事業者団体(荷主団体)に対し、物流特殊指定の周知徹底等について要請した。

今回の調査の結果、一部の荷主は、物流事業者と十分協議することなく一方的に代金の引下げ要請を行い、物流事業者は、要請に応じないと取引上不利になることを懸念して、これを受け入れざるを得ない状況にあることがうかがわれた。

独占禁止法上問題となる行為を未然に防止し、荷主と物流事業者の取引の公正化を図っていくためには、取引条件を決定するに当たり、荷主と物流事業者の間であらかじめ十分な協議を行うことが重要であると考えられる。

また、物流事業者の指摘の中には、委託元である他の物流事業者による行為も含まれているところ、これらは下請法の規制対象となることから、これらの行為については、別途、下請法の定期調査の中で調査を進めることとする。

公取委としては、今回の調査の結果を踏まえ、荷主団体に対して、改めて物流特殊指定の内容を傘下会員に十分に周知徹底するとともに、傘下会員の独占禁止法遵守体制について、制度面及び運用面において一層の改善が図られるよう、傘下会員への指導を要請することとする。

また、今後とも、荷主と物流事業者との取引実態の把握や違反行為の未然防止に努めるとともに、具体的な情報提供が行われた場合には調査を行い、物流特殊指定に違反する事実が認められた場合には厳正に対処していくこととしている。

詳しくは下記アドレスを参照。
http://www.jftc.go.jp/pressrelease/06.march/06030103-2.pdf

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