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矢野経済研究所/2009年度の製造業のIT投資は3.8%減

2009年08月03日/調査・統計

矢野経済研究所は8月3日、金融危機後の製造業向けITビジネスの調査結果概要を発表した。昨年10月から今年1月にかけてアンケート、直接面談で製造業337社、ITベンダー12社に調査したもので、調査によると2008年度の製造業全体のIT投資額は前年度比2.2%減、2009年度見込みは3.8%減となった。

特に加工組立製造業への影響は大きく、2008年度時点で4.7%減、2009年度5.0%減と見込まれる。これは自動車や電機・電子機器などの産業が打撃を蒙っている影響だと見られるが、一方で医薬品などの業種のIT投資は堅調と見られる。

2010年度はやや持ち直すが、マイナス2.0%で、ITサービス産業にとっては厳しい状況が続く見込み。製造業は生産調整が一段落した段階で、IT投資が回復するまでには半年~1年の期間がかかり、本格的な回復は2010年以降になると推測されている。

不況下を乗り切る有望なITビジネスとしては、「環境・エコ」と「コスト削減」が挙げられる。「環境・エコ」は、社会的な関心の高まりに応えるため、またエコポイント制度やエコカー減税、太陽光発電システム導入支援など、政府による支援が及ぼす効果への期待もある。「コスト削減」は、製造業にとっては必要不可欠のキーワードで、ITの利用でも関心が高い。

このうちグリーンITは、今後3年間で新たに取組む意向があるという回答が、プロセス製造業で48.0%、加工組立製造業では54.8%に達した。流通、サービス、金融などの他業種より回答比率が高く、製造業はグリーンITへの意識が高い業種といえる。取組む内容は「オフィスでの省電力デバイス導入」が7割超で、エネルギー消費量を削減したITデバイスを利用する「Green of IT」の浸透が分かる。「ビジネスプロセスの見直し」も42.8%に達し、今後はITを活用することで業務を効率化する「Green by IT」の伸長も期待できる。

一方、製造業全体でITのコスト削減は最大の関心事の1つとされ、固定費のITインフラ(システム基盤)の維持運用費用を削減するニーズは強い。コスト削減ソリューションとしては、代表的なものに仮想化技術を使ったサーバの統合があり、サーバ台数の削減という明示的な効果が得られるため関心は高い。また、製造業は自前主義が強くアウトソーシングの利用が比較的少ない業種だったが、景況悪化からコスト削減のためのアウトソーシングは着実に増加している。

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