日通総合研究所は2010年度の経済と貨物輸送の見通しの改訂を発表し、国内貨物輸送量の伸びは、2009年度の実績見込値は、ことし3月時点での予測を若干上回り、2010年度も、前回予測値を0.7ポイント上方修正した。
国際貨物輸送量は、外貿コンテナ貨物は輸出を1.2ポイント、輸入を0.4ポイント上方修正した。
また、航空貨物輸送量も、輸出を1.0ポイント、輸入を1.3ポイント上方修正した。
2009年度の国内貨物輸送量は、景気低迷の影響により、上期については1割近く落ち込んだ。下期
に入って、減少テンポはやや落ち着いたものの、全品類が総崩れのなかで、総輸送量は6.3%減と、
過去最大の減少幅を記録した1974年度(11.0%減)に次ぐ大幅なマイナスになった。
2010年度は、引き続き内需に力強い回復が見込めないことから、2.1%減と11年連続のマイナスがを見込んでいる。
しかし、消費関連貨物は、個人消費の増勢がいくぶん強まることに加え、前年度における減少の反動もあって、1.2%増と小幅ながらも増加に転じるとしている。
生産関連貨物も設備投資や鉱工業生産がプラスに反転するため、化学製品には比較的堅調な動きが見込まれ、不振であった機械類や鉄鋼なども水面上に浮上するものとみられ、トータルでは1.4%増としている。
国際貨物輸送は外貿コンテナ貨物(主要9港)の輸出が、2010年度も世界経済の拡大を背景に、特に上期は機械機器を中心として高い伸びが見込まれ、下期に増勢は鈍化するものの、年度全体では15.1%の増加になるものとみている。
輸入は、設備投資のプラス成長を反映して機械機器が堅調な増加基調で推移し、消費財も食料品を中心に底堅さを示すことから、9.8%増を予測さしている。