LNEWSは、物流・ロジスティクス・SCM分野の最新ニュースを発信しています。





ジョーンズ ラング ラサール/東京の物流施設賃料、穏やかな上昇へ

2012年03月12日/物流施設

ジョーンズ ラング ラサールは3月12日、東京物流市場の需給、空室状況、賃料・価格動向等を独自に分析するとともに、12か月の予測をまとめた調査レポートを発表した。

それによると、2011年第4四半期の東京のロジスティクスマーケット(物流市場)は、賃料は月額坪当たり5792円となり、第3四半期の0.2%上昇から第4四半期は横ばいとなっている。

2012年の東京ベイエリアに立地する先進型物流施設の賃貸市場は、新規供給は限定的な水準が見込まれている一方で、需要は引き続き3PL事業者等の運輸サービス業、食料品製造業、通信販売小売業等に牽引されて安定的に推移する見通しである。

したがって、賃料は横ばいから緩やかな上昇基調で推移するであろうとしている。ただし、旧来型の物件には厳しい状況が続く可能性がある――と予測している。

また、大震災後の東京ロジスティクスマーケット(物流市場)は、震災発生から3か月間は、物流センター内で保管商品の荷崩れが発生し、センターの機能停止により事業継続が不可能となる事例が見られた。また、東京ベイエリアの一部では液状化で物流センター周辺の駐車場や道路に悪影響がでた。反面、一時避難的な需要から高耐震性の最新型物流施設への特需が発生、稼働率が急速に高まる好影響もみられた。

そして、マクロ的な観点からは、製造業のサプライチェーン寸断による物資の流れの停滞で、海外輸出量が急減、物流界へのマイナス影響が明確となった、としている。

4か月目から現在にかけては、液状化発生を受けて予想された物流拠点の内陸部シフトは起こらず、東京湾、羽田空港への接近性に優れている東京ベイエリアの地位は揺るがなかった。

しかし、高耐震性の最新型物流施設へのテナント需要は、一時的な特需には終わらず、持続的なトレンドを形成している。

今後の動向としては、東京ベイエリアの物流セクターと東京Aグレードオフィスの賃料トレンドを比較すると、物流セクターの安定性の高さが際立っており、今後もこの傾向は続くと見られる。

物流子会社を持っていた国内事業会社が本業回帰の動きを加速し、本業ではない物流事業をアウトソースするトレンドが今後も続く。

また、日本のロジスティクスの全ストック(4億8000㎡)に占める、最新型物流施設のストック(1000万㎡)の割合はわずか2%程度であり、震災後の“Flight to Quality”による需要や企業のアウトソースニーズを考慮すると、成熟経済国・日本における数少ない成長セクターといえる――としている。

関連記事

物流施設に関する最新ニュース

最新ニュース