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投稿/3PLという名の虚像、「3PLに求められるもの」(第2回)

2012年08月16日/物流施設

前話で3PLとは、他人の作った物流商品をその人に代わって販売する人だと述べました。

したがって、物流不動産・サブリース・ミズヤもブローカーも、3PLだと言えます。

“3PLは結果を出す力を持て”

要するに、物流セールスを業としている者はすべて3PLであるということです。だから彼らは、マーケティング力やプロモーション力を持つものでなくてはなりません。しかも、すべて成功報酬でセールスを行う者こそ、理想とされるべきです。

倉庫賃貸借のサヤ抜きは確かに経営的には安定した利益をもたらしてくれるでしょう。しかしそれに頼らず、取り扱い貨物で1個あたり数円数銭の薄利を積み重ねることに、無性に快感を覚えるという人たちのためにこれを書いています。

例えばそれは共同配送です。

これにまともに取り組んでなお、利益を出していますというところがあるならば、事業規模や売上高に関係なく、優れた物流事業者です。

真の3PLはリスクを背負う。

クライアントと世の中のために。しかも中には、クライアントの売りを担う者さえあると聞きます。もう、ミスが少ないとか、コストを下げますというレベルの話ではないのです。

“3PLの6つの条件”

さて、3PLがマーケティングのプロだとしたら、どうしても不可欠な条件があります。

1.戦略があるということ
戦わずに勝つという、あれです。つまり、最上の3PLはコンペやビットに参加することなく、仕事を得ています。正面衝突するような、徒らな自軍の消耗を避けているということです。

2.中枢を掌握するたったひとりの参謀役が存在する
彼は所属する組織によって造られます。科目は主に読書と旅行。

倉庫を外から眺めて、壁が透けて中が見えるまで、鍛錬されます。走っているトラックも同様に運んでいる貨物が見えるようになっています。すなわち、勤務時間外をも投入するような大バカです。

3.差別化アイテムが作れる
自社の強みを、荷主(クライアント)の課題・問題解決に活用する提案ができる。

自社の強みとは言いましたが、もともと、特有のサービスを持っている必要はないのです。

クライアント案件に対応できればよいのです。短時間で作れることが大事なのです。それ以上に重要なのは、クライアント要件を余すことなく抽出できる手腕です。

4.商売人気質
好きな言葉は「薄利多売」。

最初は無料で与える。与えまくる。お客さまに喜ばれ、従業員にも喜ばれ、世の中の役にも立っているのです。その信念と気概が在るかということを、ここでは問いたいと思います。

5.稼ぎの筋道が明確
それでいて、しっかり稼ぐ。

そのためのメソッドが確立されているのです。利益確保の望めない仕事と利益確保の望めない仕事を組み合わせて、利益を出せる魔法使いなのです。

6.失敗することを厭わない
反省はするが、悔やまないということです。

勝敗は常に紙一重であり、首の皮一枚つながっているだけです。これを楽しむ境地が、3PLだと思うのです。

と、いろいろ挙げてきましたが、これを全て補完してこそ3PLの称号を与えられるのだ、とは言いません。今はゼロでも構わないのです。旗を掲げていればそれでいいのです。(つづく)

■執筆:江島裕氏(ロジスティクス&ビジョン代表)
20120814ejima1 - 投稿/3PLという名の虚像、「3PLに求められるもの」(第2回)

■ロジスティクス&ビジョン
http://www8.plala.or.jp/logivision/index.html

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