経済産業省は8月28日、2011年度の電子商取引に関する市場調査結果を発表した。
日本、米国、中国、フランス、ベトナム、インドネシアの消費者のEC利用動向について調査したところ、EC利用上の不安要因として、中国、インドネシア、ベトナムでは、配送時に商品が破損する可能性があること(中国、ベトナムで2位、インドネシアで1位)など物流面の不安要因を挙げる者も多かった。
<ECトラブル遭遇率>
過去1年間のトラブル遭遇率は、インドネシア(74.8%)が最も高く、ベトナム(74.0%)、中国(64.2%)の順となっている。
トラブルの内容では、日本では商品の不良・偽物/サービスの不備によるものが1位に挙げているが、他の5か国では、商品の配送/サービス提供の遅れ(数日~1週間程度)によるものが1位に挙げていた。
他には、「購入した商品とは違う商品が配送された/サービスの内容が違った」、「梱包が変形・破損していた(商品に影響なし)」といった物流等、配送過程の問題に起因するトラブルが多い傾向にあった。
<遭遇したトラブルの内訳>
国別にみると、日本では、購入した商品が不良品・偽物であった/サービスに不備があったとの回答が最も多く、28.6%であった。
商品の配送/サービスの提供が遅れた(数日~1週間)との回答が25.4%、購入した商品とは違う商品が配送された/サービスの内容が違ったとの回答が15.4%。
最初にあげたトラブルは商品の問題、後にあげた2つのトラブルは、主として配送過程における問題であると考えられる。
米国では、商品の配送/サービスの提供が遅れた(数日~1週間)との回答が最も多く、24.0%。
梱包が変形・破損していた(商品に影響なし)との回答が20.0%、購入した商品が届かなかった/サービスの提供が受けられなかったとの回答が18.8%。
中国では、商品の配送/サービスの提供が遅れた(数日~1週間)との回答が最も多く、34.4%。購入した商品が不良品・偽物であった/サービスに不備があったとの回答が26.4%、梱包が変形・破損していた(商品に影響なし)との回答が21.5%。
中国消費者グループインタビューにおいても同様に「配送に時間がかかった」、「注文した商品と違うものが届いた」、「購入した商品にブランドが付いていなかった(偽者)」といった意見が挙がっていた。
フランスでは、商品の配送/サービスの提供が遅れた(数日~1週間)との回答が最も多く、34.4%。
購入した商品が届かなかった/サービスの提供が受けられなかったとの回答が25.6%、梱包が変形・破損していた(商品に影響なし)との回答が22.7%。
インドネシアでは、商品の配送/サービスの提供が遅れた(数日~1週間)との回答が最も多く、40.5%。
購入した商品とは違う商品が配送された/サービスの内容が違ったとの回答が26.6%、商品のキャンセル・返品ができなかったとの回答が21.5%。
ベトナムでは、商品の配送/サービスの提供が遅れた(数日~1週間)との回答が最も多く、36.4%。
商品のキャンセル・返品ができなかったとの回答が28.3%、購入した商品が届かなかった/サービスの提供が受けられなかったとの回答が27.3%。
■電子商取引に関する市場調査報告書
http://www.meti.go.jp/policy/it_policy/statistics/outlook/bessi3H23EChoukokusho.pdfEC