DHLは5月28日、「今後10年間に、オンライン小売は先進国だけでなく新興国でも従来の予想をさらに上回る重要性を持つようになる。その中でロジスティクスは主要な役割を担う」とする調査発表を行った。
理由として、注文当日数時間以内の配送、柔軟な受取・返送時間、新興国での弾力的な物流、付加価値コンセプトなど、重要な競争優位性を企業に提供するのがロジスティクスだから、としている。
今日、eコマースは欧州ではすでに貿易量全体の8%を占め、シナリオによっては、この割合が先進国で40%、今日の新興市場で30%に達することが予想されている。
調査では、近い将来グローバルなインターネットショッピングが消費者と企業にとってどのようなものになるかを4つのシナリオで示している。
4通りの未来予測は、エネルギーや原材料の価格から技術的・政治的・社会的要因、さらには小売と消費の傾向まで、影響力の高い要因に関する詳細な分析に基づいている。
また、各シナリオでは2025年までの社会価値体系について予想される変化の影響も概説。調査では、世界の中の特定の先進国と新興国について考察している。
第1のシナリオでは、今日の新興市場が今後11年間世界経済成長の牽引役となっている。堅調なグローバル経済と安定した中流階級によって、真の「どこでもコマース (Everywhere
Commerce)」が確立されている時代。
消費者は今日よりずっと短時間で購入商品を受け取り、エクスプレス貨物は24時間以内に分単位で届けられる。
また別のシナリオでは、高度なデジタル文化が発達し、ほぼすべての製品がオンラインで販売され、消費者がアバターのサポートを受けるようになっている。
メーカーを偽造から守るため、保護されたサプライチェーンをロジスティクス企業が提供するようになっている。
ただし調査では、世界のEテーリングのポジティブな未来予想だけでなく、考えられる危機シナリオについても説明。
第4シナリオでは、世界経済で再び金融危機が生じ、エネルギーと原材料の価格が大幅に高騰した後、世界の消費傾向がどのように展開するかを概説している。
このような環境で人々はDIY的な発想を取り入れて、「まったく新しい」アプローチではなく共同所有モデルを採用する可能性があるとしている。
この調査結果はドイツポストDHL がトレンド調査機関Z_punktとSee Moreに加え、小売、ロジスティクス、学会の多数のドイツ内外の専門家の参加を得て実施した「グローバルEテーリング12025」調査の主な結果のひとつ。
■「グローバルE テーリング2025」の詳細(英語)
http://www.dpdhl.com/content/dam/global-etailing-2025_en.html
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