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CBRE/2014年以降も物流施設の賃料水準、上昇傾向続く

2014年05月28日/調査・統計

CBREは5月28日、「CBRE不動産フォーラム2014」を開催、投資家やディベロッパーなど約500名の参加者を集めた。

<講演したCBRE小林麿インダストリアル営業本部シニアディレクター>
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午前の部のインダストリアルサービスプレゼンテーションでは、物流不動産マーケット展望として、CBRE小林麿インダストリアル営業本部シニアディレクターが講演。

物流施設マーケットの2013年を振り返り、その特徴を大型センターの竣工が相次ぎ、年間需要面積は過去最高、新規供給は2008年に次ぐ規模となったと説明。その要因を通販、BCP、オムニチャネルなどの伸びが原因と分析した。

CBRE調べでは、2013年竣工の大型マルチテナント型施設の荷主の属性では、アパレルが24%、日用品22%、電機製品・電子部品が21%、食品・飲料が15%と、2012年と比べ荷主企業に広がりができたとしている。

そのため、物流不動産の成約賃料が上昇し、さらに地域での差が生じているという。内陸部の流山、柏、野田、松戸近辺の上昇率が最も高く、湾岸部の江東区、江戸川区などは上昇率は低かった。ただ、湾岸部では高止まりしていたためという。

2014年以降の展望では、人件費上昇から、駅近や人が集めやすい物件に注目、燃料費上昇から配送効率の見直しで、拠点の見直しなどが始まっているという。さらに、土地・建設費の上昇から、自社拠点の高コスト化をきらい、自社志向の企業も賃貸物件を選択するとしている。

2014年以降の供給予定面積は18万坪、2015年は29万坪と過去最高を予定している。主な開発地点は圏央道周辺、さらに国道16号線沿いも人気を集めているという。

賃料水準は総じてやや上昇傾向が継続し、特にリーマンショック後の需給緩和時に相場より低い賃料で入居したテナントは、賃料上昇する許容する環境になりつつあるとしている。

そして、仕入れ価格の上昇、景気回復期待、需給環境の堅調継続が原因で、新規賃料の目標賃料水準は上昇傾向が続くと予測している。

<パネルディスカッション 左から司会を務めたCBREの田口淳一マネージングディレクター、GLPの帖佐社長、ブラックストーングループジャパンの小杉明マネージングディレクター、ヤマト運輸の三浦法人営業部部長、ケイヒン配送の吉村マネージングディレクター>
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インダストリアルパネルディスカッション「物流マーケットはどこまで伸びる」を行った。

パネラーのケイヒン配送の吉村裕マネージングディレクターは「トラックドライバー不足が深刻。拠点の整備もこれまでは集約化が多かったが今は分散化が多くなっている。荷主は極力運ぶ距離を短くしたい要望が強くなってきている」と発言。

ヤマト運輸の三浦武法人営業部部長も「労働力不足が大きな課題になっている」と述べた。

GLPの帖佐義之社長は「ここ数年でようやく物流不動産への信認が強くなってきた。しかしまだまだ施設づくりの余地は十二分にあるし、まだまだ成熟したとは思っていない」とし、2014年以降の物流不動産市場への期待感を表明した。

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