三菱重工業は10月22日、100%出資するベトナムの民間航空機生産会社MHIVA社が首都ハノイに建設していた新工場が完成し、米国ボーイング社の大型旅客機777向け乗降扉の生産を開始したと発表した。
併せて、ボーイング社の小型旅客機737向けインボード・フラップで累計1000機目の出荷を達成した。
新工場は、ハノイ郊外のタンロン工業団地にあるMHIVA本社工場を増築するかたちで建設を進めてきたもので、建屋面積6500㎡。
三菱重工業名古屋航空宇宙システム製作所からの生産移管により、初期段階では777乗降扉の構造組立作業のみを行い、引き続いて艤装組立作業を含む全組立工程をMHIVA単独で担っていく。
MHIVAは、競争力強化のための効率的なサプライチェーン構築を目指す取り組みの1つとして、2007年に設立したもの。
中型旅客機ボーイング787向け複合材主翼の生産や、ロールアウトを行った国産初のジェット旅客機MRJ(Mitsubishi Regional Jet)の生産、777の後継機である「777X」の開発・量産参画など、民間航空機関連の大型プロジェクトを多数推進しており、生産体制整備と能力拡大に取り組んでいる。この新工場稼働も、その一環と位置付けている。