センコン物流は1月5日、ロシア向けの食品輸出を増やし、これまでのウラジオストクに加え、ロシア最大の消費地であるモスクワへの輸出も開始したと発表した。
昨年12月にモスクワに向けて初めて日本の食品を輸出、宮城県仙台市で仕入れた日本産の野菜と果物約1.2トンを、成田空港からモスクワ空港に空輸し、現地の食品卸会社を通じて百貨店や高級果物店で販売した。
輸出品目は13種類で、東日本大震災で被災した宮城県山元町産のイチゴのほか、青森県産のリンゴ、山形県産の洋ナシ、熊本県産トマトなど。モスクワでの販売価格は空輸の輸送費も含め日本の約3倍になったが、それでも好評を得て完売した。
モスクワでも富裕層を中心に品質と安全性の高い日本食品は需要があることが確認できたため、今後は品目も水産加工物にも広げ、さらに輸出量を増やしていく。
モスクワの人口は約1150万人と、ウラジオストクの約60万人の20倍近くあり、日本食品の需要がはるかに大きいと見込んでいる。
センコン物流では2011年からウラジオストク向けに日本食品の輸出を開始し、当初は鳥取県の境港から保存食や調味料などを輸出していたが、昨年6月からは日持ちのしない農産物の空輸も始め、現地で同社が出資する物流会社VLロジスティクス社の販路を使い、現地のスーパー数店で販売してきた。
2014年3月期の輸出額は6000万円と前期の17倍に増えており、今後2億円規模に引き上げていく計画だ。