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TOTO/ベトナムの工場で可視化システム稼働

2016年07月20日/生産

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富士通、富士通システムズ・イーストは7月20日、TOTOのベトナムの拠点「TOTOベトナム」の工場で原料と紐づけて全工程の生産状況や品質情報を可視化するシステムを開発し、第一工場において7月1日に稼働したと発表した。

<製造工程におけるトレーサビリティイメージ>
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大型で複雑な形状の衛生陶器の製造をより安定的に行うためには、後工程での変形や収縮を考慮した成形作業、高温かつ繊細な管理が必要なトンネル窯の温度管理、知識と経験をもつ認定検査員による全数検査など、熟練の技と高度な技術が求められるため、これらのノウハウの可視化と統計的な分析が不可欠だった。

TOTOでは、グローバルサプライチェーンの軸となるベトナム工場において、製造現場の改善と衛生陶器の品質向上を図るとともに、熟練の技や高度な技術を持つ作業員を育成するため、富士通システムズ・イーストとともに、製造現場を革新する取り組みに昨年9月より着手していた。

仕掛品や各種設備に貼られたICタグやバーコードを通じて、原材料の調合から検査に至るまでの全工程の品質や進捗情報だけでなく、原料調合時の湿度や温度、衛生陶器に吹き付ける釉薬の種類など、あらゆる実績情報を収集することで、製品一つ一つのトレーサビリティをリアルタイムに把握することが可能となった。

製品出荷後も製造時の品質情報を把握できることで、問い合わせにも迅速に対応できるようになった。

乾燥・焼成の工程で陶器が縮むことを考慮して緻密に設計され、多面的に細部に渡り厳しい検査を行うため、この検査結果を漏れなく詳細まで記録できるように、水洗便器の前後左右上下の6方向の図面をタブレット上に表示させ、不具合の位置や状態を瞬時に登録、確認できるようにした。

<タブレットで検査情報を入力する様子>
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これらのタブレットを通じてサーバに蓄積されたデータの活用により、不具合が発生しやすい部位の傾向や起因する設備、環境の要素をデジタルに把握することができ、さらなる「製造プロセスの改善」につなげることが可能となった。

TOTOベトナムでは、システムの導入により、熟練工の作業手順や検査結果、指摘内容などのこれまで可視化されていなかった情報を共有でき、作業者同士の意見交換やコミュニケーションが活性化されている。

現地社員自らが現場改善を行う積極的な活動を促し、人材育成につなげていくことを目指している。

これまで作業員が紙に記録していた生産実績や製品の検査結果を、タブレットやハンディターミナルで簡単に入力できるシステムを構築し、文字の大きさから入力項目の配置、キーボードのサイズに至るまでTOTOと共同で作り上げた。

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