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DHLサプライチェーン/庫内のオーダー・ピッキングに拡張現実技術活用

2017年08月24日/IT・機器

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DHLサプライチェーンは8月24日、庫内のオーダー・ピッキング(作業指示に応じた製品・商品の取り出し)作業にAR(拡張現実)技術を活用する「ビジョン・ピッキング」の実証実験を世界規模で進めていたが、このたび実験が無事完了したと発表した。

<ビジョン・ピッキングの様子>
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DHLは、パートナー企業3社とともに実証実験を進めてきた。ARソフトウェアは、Ubimax社から「xPick」が提供されている。また、スマートグラスのハードウェアには、先頃発表されたグーグル社のグラス・エンタープライズ・エディション、およびVuzix社の「M100」と「M300」を採用した。

アジアとオーストラリアでは、他のパートナー企業とともに引き続き、実証実験を実施しており、同様の実用性が確認されている。

今回のビジョン・ピッキング・プログラムの成功を受け、DHLでは、研修やメンテナンス、寸法計算など、ARやVR(仮想現実)技術の新たな応用先を模索・検討している。

今後は、同ソリューションを世界各地の倉庫へ導入し、オーダー・ピッキングの新たな業界標準の確立を目指す。

このソリューションでは、ピッキング作業員がスマートグラスと呼ばれる特殊眼鏡を装着。スマートグラスのディスプレイには、製品・商品の保管場所やピッキングした製品・商品のカート配置場所などオーダー・ピッキングの作業指示が表示されるため、作業員は作業指示書を手に持つ必要がなく、これまで以上に効率良く快適に作業できるようになる。

今回の世界規模で実施された実証実験の結果としては、生産性が平均15%向上し、作業精度の改善も見られた。

また、使い勝手が良く、直感的に利用できるソリューションであるため、導入期間や作業員への研修時間も半減で対応することができた。

DHLサプライチェーンのマーカス ボス最高情報責任者(CIO)兼最高執行責任者(COO)は、「DHLサプライチェーンでは、デジタル化を単なるビジョンやプログラムとは捉えていない。当社にとっても顧客にとっても現実そのものであり、現場作業に付加価値をもたらすもの。実際、生産性が向上したと顧客からも好評を得、オペレーションに画期的な技術を導入していることについても、喜びの声をもらっている」と述べた。

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