セコムは12月11日、世界最大級の検査、検証、試験、認証機関であるSGSグループの日本法人、SGSジャパンと、サプライチェーンに関わる施設を対象にしたフィジカルセキュリティの評価基準策定のための共同研究を行で合意した。
サプライチェーンの安全性を客観的に示すにはさまざまな方法があるが、施設のフィジカルセキュリティに特化したものがなく、取引先の要求に対応するために、どのような対策を行えればよいのかわからないといった課題もある。
SGSジャパンはフィジカルセキュリティに特化した独自の評価基準を策定し、施設のセキュリティ対策レベルを評価。
取引先などに対して施設のフィジカルセキュリティレベルを評価証明書によって客観的に立証できる、日本国内のみならず海外でも通用するグローバルサービスを開発することとし、2018年1月にフィジカルセキュリティ評価基準の完成を目指す。
セコムは、日本国内でのセキュリティ業界のリーディングカンパニーとして海外でも約40年に渡ってセキュリティサービスを展開してきた。
これまでの経験と実績に基づくセキュリティ技術とノウハウを活かし、各国・地域の実情を加味したセキュリティ評価基準の策定のためにSGSジャパンと共同研究を開始するもの。
セコムとSGSジャパンは、世界の既存の各種取り組みが要求するフィジカル面でのセキュリティ水準を満たしつつ、施設を利用形態ごとのセキュリティ対策レベルで評価できる評価基準策定のための共同研究を行う。
コンプライアンス違反などの内部リスクも想定した設計とすることで、異物混入などのフードディフェンスに苦慮する食品製造工場などでのセキュリティ対策レベルの評価証明書としても使用できる、汎用的な評価基準を目指す。
また、セキュリティ評価基準に適合した企業には、評価証明書や専用ステッカーを発行することで、取引先だけでなく、テナント企業や投資家、周辺地域・住民など様々な関係者へアピール出来るようにする。
なお、サプライチェーンのグローバル化が進むにつれ、「荷抜き(抜き取り)」、「すり替え」、「荷差し(紛れ込ませ)」などが増加していることから、このような問題を発生させないためのセキュリティ対策を行っていることを取引条件に課す欧米企業が増えてきている。
また、TPP(環太平洋経済連携協定)やFTA(自由貿易協定)の進展により経済活動の活性化が見込まれ、さらにテロの脅威も増す中、要求水準がさらに高まることも予想されている。