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日本郵船/電子マネー、船上での給与支払い・日用品購買決済に採用

2018年11月21日/SCM・経営

日本郵船は11月21日、船上での船員給与の一部支払いや日用品の購買などに係る決済手段として、電子マネーを採用すると発表した。

<船上キャッシュレス化のイメージ>
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日本郵船の自社船200隻を対象に、2019年早期の運用開始を目指す。

通信環境が悪い船上でも運用可能な決済システムと、再現金化が可能な独自の電子マネーを整備・導入し、専用アプリをダウンロードしたスマートフォンを用いてやり取りする。

<国内海運会社の商船に乗船する船員の出身国比率>
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キャッシュレス化によって、船上での資金管理が容易になり、管理リスクも軽減できるほか、船員の大部分を占める外国籍の乗組員が家族へ送金する際の手間も省けるといったメリットが生まれる。

なお、同社では世界中の船上にある現金は800億円にものぼると推定しており、それに伴う間接コストや紛失リスクは非常に大きいと認識している。

<船上での実証実験>
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日本郵船は船上でのキャッシュレス化に向けて、クレジットカード決済関連事業を手がける日本カードネットワークと共同で、8~9月末にかけて複数回の実証実験を行い、実現可能性や有効性の検証を行った。

今後は、実証実験で浮かんだ課題の解決に向けて、銀行やIT分野などさまざまな企業と連携し、実用化に向けたシステム構築や運用面での改善点などの抽出を進めていく。将来的にはキャッシュレス化の仕組みを他社船にも展開するほか、フィリピンなど船員の居住地域でも日常の決済手段としての普及拡大を目指す。

<丸山専務経営委員(右)、秘書グループの藤岡社長秘書(左)>
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日本郵船の丸山 英聡専務経営委員は、「船上キャッシュレス化の取り組みは、部門や関連会社の垣根を越えて集まった若手有志を中心とするプロジェクトメンバーが自主的に考案した」と、プロジェクト立ち上げの経緯を説明。

また、プロジェクトチームの一員でもある秘書グループの藤岡 敏晃社長秘書は、「普段の生活や海外勤務経験などから有用性を実感していた電子マネー決済について、船上でも有効に活用できるのではないかと考え、プロジェクトチームへの参加を決めた。キャッシュレス化で船上決済の負担軽減を図ると同時に、独自電子マネーの利用によって船員がメリットを享受できる機会を増やし、船員の暮らしや地域社会に貢献していきたい」とコメントした。

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