長崎県五島市は2月6日、ドローンを活用した新産業・雇用創出を目指したドローンi-Landプロジェクトの一環として、2つの事業を開始したと発表した。
その一つが離島間無人物流事業。五島市では、離島間と離島内や陸路でアクセスが困難な地域への輸送手段として無人航空機(ドローン)等の活用を計画している。
具体的には、地域住民の生活必需品・食料品及び各種サービスへのアクセス手段を提供、離島部からの集荷及び一次産品等の発送網の構築、緊急時の医薬品等の輸送ルートの構築が目的。
実証実験は、設置した気象観測装置の飛行判断基準としての運用の検証、五島市内の奈留島~前島間(笠松港)の海上を、ドローン(e-VTOL型無人航空機)及び無人航行ミニボートを用いて港から港へ物資の輸送を行い、さらに無人陸上輸送用ミニカートを用いて荷物を配送する。
ドローンの飛行可否判断を目的として設置する気象観測装置は、初年度には風向・風速・降雨量・気圧・気温・湿度のデータの取得を予定しており、ドローンの運行判断に活用するのみならず、これらのデータの農業・水産業等他分野への活用が期待される。さらには、これら6種類以外のセンサーの追加が可能となっており、次年度以降の取得データの拡張が可能だ。
五島市は長崎本土から約100km西に位置し、11の有人島と52の無人島で構成されている。
実証実験の詳細は、 3月上旬に改めて発表するとしている。
なお、ドローンを活用したもう一つの事業は、海洋ゴミ調査事業で、美しい海岸を有する観光地を持つ五島市の観光産業の成長を目指した取り組み。
■概要
事業名:2018年度離島間無人物流事業
委託事業者:かもめや(香川県高松市)
実施時期:2019年3月下旬(予定)