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日通/5Gを活用したスマート物流の実証実験を実施

2020年02月19日/IT・機器

日本通運とWireless City Planning(WCP)は2月19日、東京都練馬区の江古田流通センターと奈良県大和郡山市の奈良ロジスティクスセンターで、5G(第5世代移動通信システム)を活用したスマート物流の実証実験を実施すると発表した。

<東京と奈良で行われた実証実験の概要>

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実験は1月下旬から着手しており、2月下旬まで実施予定。WCPが総務省から受託した「令和元年度5G総合実証試験」の「多数の端末からの同時接続要求を処理可能とする第5世代移動通信システムの技術的条件等に関する調査検討の請負」として、シャープやソフトバンクと協力し、5GやIoT機器向けのLTE規格「Cat. M1(カテゴリーエムワン)」などを活用した実験を行う。

すでに、両物流センターでは、江古田流通センターで「5GやMEC(Multi-access Edge Computing:端末から近い位置にデータ処理機能を配備し、通信を最適化・高速化する技術)サーバーを活用したトラックの積載状況の可視化および荷室への積み込み判定」、奈良ロジスティクスセンターで「Cat. M1のセンサーを活用した荷物の温度状態や積載状態の確認」に関する実証実験を実施済み。

<江古田流通センターでの実験内容>

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<「おでかけ5G」の基地局>

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江古田流通センターの実験では、ソフトバンクが開発した可搬型5G設備「おでかけ5G」のネットワークを活用し、LiDAR(レーザースキャナー)によってトラックの積載状況を可視化したほか、加速度センサーなどによって荷物が荷室へ積み込まれたかどうかを判定した。

今後は、同技術によって積載率の低いトラックを可視化し、空いているスペースの有効活用の検討が可能になるほか、ドライバーによる積載状況の確認作業を省力化することが期待される。

<奈良ロジスティクスセンターでの実験内容>

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奈良ロジスティクスセンターの実験では、Cat. M1を採用した温度センサーを荷物に取り付けた走行試験によって、遠隔地の管理者がリアルタイムに荷物の温度を確認できた。また、LTEを採用した重量センサーを荷室に設置し、シャープが開発したアプリケーションによってトラックドライバーと遠隔地の管理者が荷室の総重量や偏荷重を確認できた。

これまで、荷物の積載はドライバーの経験に基づいて行われていたが、このアプリケーションを使用することで、荷室の重量が均一になるよう積載できるため、今後はこの技術によって冷蔵品や常温品、割れやすい品など、さまざまな荷物の状況に迅速に対応できる物流の実現が期待される。

日通とWCPは、今後も5GやIoTを活用したさまざまな検討を進めていくとしている。

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