佐川グローバルロジスティクスは5月11日、全館の稼働開始に先立ち、Xフロンティアの自社部分5階を公開した。
東京都江東区新砂に建設したXフロンティアはSGグループの次世代型大型物流施設だ。全館稼働を2021年1月としている。1階から4階までを佐川急便、6階の半分をSGムービング、5階を佐川グローバルロジスティクスとSGHグローバル・ジャパンが使用する。まだ、至る所で工事中だった。
佐川グローバルロジスティクスでは、主に中小EC関係にターゲットを定め「大手EC事業者は自前の倉庫を作っていますが、そうではない中小EC事業者にとっては、ロジスティクスは大きな壁。佐川グローバルロジスティクスでは、大手EC事業者と同等レベルの作業品質でシームレスECプラットフォームを、中小のEC事業者に提供。大幅な自動化を進めており、階下には佐川急便の中継センターが開設し、配送リードタイムや集荷カットタイム短縮が見込まれる」と東京支店Xフロンティア営業所の堀尾大樹所長は話す。
自動化の一環は至る所でみられる。ギーク+の自動搬送ロボットEVEは計42台を導入。すでに埼玉県蓮田市の物流センターで運営しており、その実力は検証済みだ。また、アルテックのOTTOはピッキングした商品を運ぶための長距離自律走行できる自動搬送ロボットとして14台導入。さらに、イタリア製自動梱包機も導入。段ボール原紙から梱包用の箱を自動で組み立てる機器だ。その先には、まだ工事も始まっていないが、オートストアも導入予定だ。
これらにより、例えば夜11時頃にスマホで注文した商品データは、24時間営業のこのセンターに届き、即ピッキング、梱包・出荷し、朝5時ごろの朝便により各営業所に届き、午前中には顧客の自宅に届く「お急ぎ便」も可能だという。
一連の自動化により、自動化しなかった場合の従業員数はおよそ5割程度にまで省人化できたという。しかし、堀尾所長は「完全自動化は今の所考えていません。最初に自動化で固めてしまうとキャパシティが限られてしまいます。オーダーが多くなると選択肢は遅延しかありません。ある程度人間の力を活用できるようにしておくことで、機械が故障した場合、特殊な場合等、人間という柔軟に対応できる余地を残しておくことが大切です」と話す。
ここ数か月の一連の新型コロナウイルス感染騒動で、当初2021年1月に完全稼働するとしていたものが、輸入機器や輸入商品の遅れなどもあり、約1か月程度の遅れがでているという。ただ、逆に緊急事態宣言に伴う自宅待機等によりECの重要さが認識され急加速していることから、EC需要が新しい次元に入ったとも言われている。
なお、Xフロンティアを多くの人に見てもらえるように、館内見学コースを今後設けていく方針だ。予定では、すでに出来上がっているはずだったが、新型コロナの影響で伸びたとのことだ。
■施設概要
名称:Xフロンティア
所在地:東京都江東区新砂3-2-9
アクセス:東京メトロ東西線「南砂町」3番出口より徒歩4分
首都高速湾岸線「新木場」約3.3km、首都高速9号線「枝川」約2.8km
敷地面積・延床面積:敷地面積7万3261m2、延床面積17万1029m2
構造・規模:鉄骨造7階建て
竣工:2020年1月31日
入居会社(テナント除く):佐川急便、SGムービング、佐川グローバルロジスティクス、SGHグローバル・ジャパン
その他:IHIとの共同所有物件
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