ヤマト運輸/EC次世代集配モビリティ、5大都市圏に導入拡大

2020年11月19日 

ヤマト運輸は11月19日、千葉県船橋市の海神センターで、EC商品などのラストワンマイル配送手段として用いる次世代集配モビリティを報道陣に公開した。

<初公開された次世代集配モビリティ>次世代集配モビリティ

この次世代集配モビリティは、ドイツのスタートアップ企業であるRYTLE(ライトル)社が開発したもので、3輪の電動自転車がベースになっている。担当者が来日した際に築地市場を走るターレーから着想を得て開発し、ヤマト運輸に利用を持ち掛けたことがきっかけとなり採用された。

<荷物ボックスは着脱可能>

車体後部の荷物ボックスは着脱が可能。これにより、ベース(ハブセンター)で仕分けした荷物をボックスに積込み、ボックスをトラックで各営業所へ届けることで、従来は営業所ごとに行っていた仕分け作業をまとめて行い効率化することが可能になる。

また、荷物の積載量も現行の牽引式荷台付き電動自転車より20~30個分多く、一度により多くの荷物を配達できるため配送面での効率化にも寄与。荷物ボックスの引き渡し場所は営業所に限定せず、大型トラックに対応した駐車場なども想定しており、より柔軟な配送網を構築することができるようになる。

<ハンドル周り>
次世代集配モビリティ

<足回り>
次世代集配モビリティ

走行距離は、フル充電時(充電時間3~4時間)で最大7時間程度。時速は最大24kmまで出せるが、アシストに速度制限を設けることができるため、地域ごとに安全な範囲で速度を設定し運用していく。

車体部分の特徴としては、強度と安定性を向上するため、フレームが頑丈に設計されている。ハンドル前部には小型の荷物入れが設置されており、業務用タブレットを固定するマウンターも付属。そのほか、サドルの高さや降車口の向き、サイドミラーの大きさ等、細部をヤマト仕様にカスタマイズしてある。

今回、試乗する機会に恵まれセンター内の試乗コースを何周か走行してみたが、車幅が広いため旋回時の内輪差が想像以上に膨らみ、コーナーを曲がるたびにコースを外れてしまった。自転車というよりも、むしろ自動車を運転する感覚に近い印象を受けた。ヤマト運輸でも、SDに事前訓練をしたうえで乗車するとのこと。

<主に配達先が密集する住宅地での運用を想定>
次世代集配モビリティ

ヤマト運輸は、この次世代集配モビリティを現場へ導入するにあたり、まずは千葉県市川市の営業所に数台を試験的に導入。11月23日から運用を開始し、数か月間の実証実験で課題を洗い出したうえで、それをもとに車体を都度改善しながら運用していく方針だ。現行の電動自転車や自動車に置き換えるかたちで導入を進め、将来的には首都圏のほか、札幌、名古屋、大阪、福岡などの大都市圏にも運用範囲を拡大していく。荷物ボックスは常温だが、今後は冷蔵対応も検討する。

<ヤマト運輸 EC事業部 事業戦略/商品開発担当の齊藤 泰裕部長>
齊藤 泰裕

次世代集配モビリティについて、ヤマト運輸 EC事業部 事業戦略/商品開発担当の齊藤 泰裕(やすひろ)部長は「基本的に、住宅地のような人口密集地での運用を想定しているが、駅前などさまざまな地域で運用することで適正を見極めていく。車体はこれで完成という訳ではなく、運用面での課題に基づいてRYTLE社と連携しながら適時改良を加えていく」と、今後の運用方針を語った。

また、齊藤部長は「環境への配慮として、欧州のミュンヘンやコペンハーゲンでは都市部へのトラックの侵入規制が始まっており、UPSなどが都市部の配送を試験的に電動自転車へ切り替えている。この規制は世界的に拡大が見込まれているため、日本国内での規制開始に備え、物流の持続可能性の観点からも、この次世代集配モビリティが有効な配送手段となり得る」と述べた。

■次世代集配モビリティの仕様
全長:270cm
全幅:120cm
最大積載量:120kg
最大航続時間:約7時間
開発:RYTLE社

関連キーワード:

最新ニュース

物流用語集