日通総合研究所は12月25日、「2020・2021年度の経済と貨物輸送の見通し」を発表した。
それによると、国内貨物輸送の総輸送量は2020年度がコロナショックなどの影響から上期下期を通して大幅減となり、通期で7.0%減に。2021年度は大幅減からの反動で1.7%増と4年ぶりのプラスとなるも微増にとどまる見通し。
消費関連貨物は2020年度が5.8%減、2021年度は3.3%増。生産関連貨物は2020年度が9.4%減、2021年度は4.0%増。建設関連貨物は2020年度が5.4%減、2021年度は2.0%減を見込む。
雑貨輸送量は、2020年度が6.9%減で、2021年度は2.8%増とプラスに転換する見通し。
鉄道のJRコンテナは2020年度が7.3%減、2021年度は大幅減からの反動や積合せ貨物輸送専用列車の新設で5.6%増に。JR車扱は2020年度が5.6%減、2021年度は石油の需要回復で1.2%増と小幅ながら増加に転じる。その他の鉄道は2020年度が9.9%減、2021年度は石油、セメント、石灰石などの増加で4.9%増を見込む。
自動車の営業用自動車は2020年度が7.0%減、2021年度は反動で2.5%増に。自家用自動車は2020年度が6.2%減、2021年度が0.8%減と全輸送機関で唯一のマイナスに。特別積合せ貨物(24社分)は2020年度が2.9%減、2021年度は2.5%増と2017年度以来のプラスを見込む。
内航海運は2020年度が10.2%減、2021年度は3.9%増。生産関連貨物は2020年度に1割以上落ち込んだ後、2021年度は4%台半ばの増加に。建設関連貨物は2020年度が8%強の減少、2021年度は反動による小幅増を見込む。
国内航空は、2020年度が33.3%減、2021年度は反動で27.2%増とプラスに転じる見通し。
国際貨物輸送については、外貿コンテナ貨物の輸出が2020年度の10.9%減から2021年度は6.5%増とプラスに転じるも、コロナ以前の水準には届かず。輸入は、2020年度が3.6%減だが、2021年度は消費財の荷動きが復調し2.5%増と3年ぶりのプラスを見込む。
国際航空は、輸出が2020年度11.4%減だが、2021年度は12.8%増とプラスに転じ、コロナ以前と同水準まで回復。輸入は2020年度が9.4%減だが、2021年度は消費財や生産財の復調に加え、4~6月期に見込むコロナワクチン等の緊急輸入増で3.4%増を見込む。