大型MT型物流施設市場/全国的に活況、地方でも需給ひっ迫

2021年01月29日 

CBREは1月29日、大型マルチテナント(MT)型物流施設の国内市場動向に関するレポート「ロジスティクス マーケットビュー 2020年第4四半期」を発表した。

<首都圏の大型マルチテナント型物流施設の需給バランス>
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それによると、首都圏の大型マルチテナント型物流施設の空室率は過去最低を維持し、対前期比横ばいの0.5%となった。

今期に新規供給された6棟(国道16号エリア4棟、圏央道エリア2棟)は全てが満床で竣工、うち3棟は物流企業による1棟借りで、今期の需要をけん引した。目的では拠点の増設や営業床の拡張のほか、EC対応の配送センターを目指した開設もみられた。近年の傾向と同様、大手EC企業の大規模契約もあり、ECが引き続き需要拡大の大きな要素となっている。

また、向こう2四半期の間に供給が予定されている物件については、5割超の面積が内定済みとプレリーシングが順調な様子。しかし、一方では引き合いが少ない物件も複数あり、2021年には211万m2の新規供給が予定される中、立地やスペックによる競争力の差が今後に表面化する可能性があるとしている。

実質賃料は首都圏全体では4460円/坪と対前期比0.9%上昇するも、2021年に新規供給が集中する地域では横ばいに。賃料は今後も首都圏全体では上昇基調を見込むが、上昇率では地域差が出ると予測している。

<近畿圏の大型マルチテナント型物流施設の需給バランス>
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近畿圏の大型マルチテナント型物流施設の空室率は3.7%で、対前期比0.3ポイントの低下。今期の新規供給は1棟で、EC関連企業が1棟借りしている。2020年に新規供給された5棟中3棟が1棟借りで、1社あたりの契約面積が大型化している。

実質賃料は対前期比1.3%上昇の4020円/坪で、2006年の調査開始以来初の4000円台に乗せた。大阪府内陸部を中心とした好立地の物件では空室が全くない中で潜在的ニーズは強く、賃料は上昇基調が続いている。

2021年は11棟が開発される計画で、うち6棟がすでに満床となった模様。早期満床の傾向をうけて、移転を計画する多くの企業が物件検討次期を早めており、今後も空室率は低水準が続くと見込んでいる。ただし、ここ数年で新規供給が連続している枚方市や交野市周辺では立地やスペックなどの条件によってリーシングの進捗に差が出ているようだ。

<中部圏の大型マルチテナント型物流施設の需給バランス>
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中部圏の大型マルチテナント型物流施設の空室率は10.3%で対前期比3.6ポイント上昇。新規供給さらた1棟が空率を残して竣工したことが上昇の大きな要因となっており、既存物件では複数の成約事例が見られたほか、大手ホームセンターのBTS型施設の開発が発表されるなど、テナントに動きが戻っている。

実質賃料は3590円/坪で対前期比で横ばい。ただし、小牧ICを中心とした物流集積地では強いニーズに対して空室がない状態が続いているため、賃料の上昇圧力が高まっているとしている。

そのほか、福岡圏では古賀市や筑紫野市といった地域で2022年以降の開発計画が具体化しており、物流立地が広がる傾向にある。

その他の地方都市では、札幌市や仙台市周辺で拠点集約や老朽化による移転、消費地近郊に在庫を配置する食品や日用品といった分野からの需要が増加。これらの都市圏では中小規模を含め空室がほぼ無く、2021年も新規供給がないことから需給がひっ迫し、成約賃料が上昇傾向にあるとしている。

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