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サトーHD/伊・インプラント業者向けSCMソリューション開発

2021年02月18日/SCM・経営

サトーホールディングスは2月18日、イタリアの整形外科インプラント製造業者のLima Corporate向けにサプライチェーンを管理するソリューションを開発したと発表した。

<スキャンが必要なプロセス>
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ソリューションは、サトーが持つ独自のRFID技術「PJM RFID」を核に、ハード、ソフト、タグで構成する。「PJM RFID」は、多数のタグ付けされたアイテムが、それぞれ異なる向きで積み重ねられた状態や高速で動いていても正確に読み取ることができる技術。

整形外科インプラントは、損傷や変形した関節、骨、軟骨などに置き換える人工代替物で、人の体に合わせて様々なサイズの製造が行われる。しかし、手術を行うまで正確なサイズがわからないことが多く、製造業者は、患者の情報から何百のインプラントを準備している。

しかし、使用されるのは数点で、それ以外は返品されるため、製品のピッキング、出荷、入荷、手術後の返品、未使用品の在庫戻し入れなど、スキャンが必要なプロセスがサプライチェーン内に多数存在し、処理プロセスには多くの工数が費やされていた。

また、物流や倉庫業務の効率化で使われる、従来のRFIDタグは放射線滅菌を施すとタグのデータが消去されたり破壊されたりするためソースタギングで弱点になっていた。

<PJM RFIDタグの取り付け>
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このソリューションでは、PJM RFIDを使うことで、サプライチェーンの途中でもタグを付け替えることが不要になり、工場から手術室までを完全に可視化できるため、検品、返品処理、在庫管理の効率が大幅に改善できるという。

また、PJM RFIDのチップは滅菌に使用される電子線やガンマ線への耐性があり、バーコードや従来のRFIDタグでは不可能だった、ガス滅菌や放射線滅菌の前段階でインプラント製品へのソースタギング(生産の段階でタグ付け)が可能になったとしている。

さらに、医療機器の表示や識別に関する規制順守を円滑にし、トレースのスマート化やリアルタイムの市販後監視で品質管理も容易になるため、SCM業務全体を効率化できるという。実際、サトーHDでは、2018年の後半にLima社でパイロット試験を行い、PJM RFIDを使ったシステムで生産性を50%向上できることを確かめた。

サトーHDでは、PJM RFIDタグがNFC(近距離無線通信)に対応するため、医療現場でスマート機器でのインプラントの確認もできるといい、このソリューション技術が、病院が所有したり預託品として持つ医療機器在庫の倉庫での使用期限管理、入荷資材の検品などの在庫管理プロセス改善にも役立つとしている。

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