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Visional/富士運輸が、2週間で運送会社2社をM&A

2021年07月16日/SCM・経営

Visionalグループのビジョナル・インキュベーションが運営する事業承継M&Aプラットフォーム「ビズリーチ・サクシード」が、 ビズリーチ・サクシード経由で、富士運輸が、後継者不在の運送会社2社から全株式を譲受したと発表した。

<富士運輸が譲受した北陸トランスポート>
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<富士運輸が譲受した日向商運 >
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富士運輸が2021年6月22日と7月3日に株式譲渡契約を締結し、譲受したのは、北陸トランスポート(旧 ひばり商事、 所在地:富山県)と日向商運 (所在地:宮崎県)の2社。なお、2社とも成約までの期間は交渉開始から2~3カ月だった。

また、 富士運輸は、「ビズリーチ・サクシード」経由で出会ったもう一社の運送会社と7月初旬に基本合意書を締結しており、 近日中に最終契約書を締結する予定だ。

今回のM&A後のフジグループの規模は、拠点数全国108か所、トラック保有台数2350台、グループ総数2700名になった。フジグループのM&A実績は13件(直近1年では8件)で、直近8件のうち、 「ビズリーチ・サクシード」経由は4件。

フジグループは、従業員の労働条件の向上を最優先にしながら、 事業を拡大することで、業務効率化やコスト削減を図り、高収益を実現している。

フジグループは、 コロナ禍の影響下の2020年6月に、役員やグループの代表を集めてコロナ対策の戦略会議を開催した。その会議で経営方針を固め、当初3か年計画だった拠点拡大計画を1年に短縮して積極投資し、たとえ、初年度が赤字になったとしても、ドライバーの最低給与を補填することを決定した。そして、M&Aや新規出店などにより、直近1年で27拠点を新設した。

その結果、コロナ禍にもかかわらず、グループ全体の年間売上高は、前年比3%増の405億円(2021年6月期)で過去最高となった。

富士運輸の松岡 弘晃代表取締役は「昨年、コロナ禍の影響を受け、8割以上の顧客の荷物が減っており、何も手立てをしなければ当グループの売上高は減少してしまう状況だった。しかし、当グループは、コロナ禍でも全国の輸送ニーズはなくならないと考え、2020年6月に、積極投資にかじを切り、3年間の新規出店計画を短縮し、M&Aなどにより、この1年で27拠点が増えた。同時に、従業員全員が前向きに営業活動を行った。その結果、既存の顧客による新たなニーズや新しい地域の顧客が増え、2021年6月の決算では過去最高の売上と過去最高益の業績となった」。

さらに、「M&Aのメリットは、拠点数の増加により、全国で事業を拡大できること。また、当グループの大型トラックの年間購入台数は300台以上で、拠点数と車両台数が増えることでスケールメリットを享受でき、購買力も高まる。譲渡企業からは、法律を順守し、従業員ファーストを掲げる当グループの方針に共感してもらい、うれしく思う。両社の社風が合うかどうかを大切にしながら、今後も積極的にM&Aを検討していく」とコメントしている。

■企業概要
企業名:北陸トランスポート(旧 ひばり商事)
本社所在地:富山県
株式譲渡契約締結日:2021年6月22日
事業概要:精密機械や医薬品の中長距離配送
従業員数:25名
譲渡理由:後継者不在
譲渡方法:株式譲渡

企業名:日向商運
本社所在地:宮崎県
株式譲渡契約締結日:2021年7月3日
事業概要:原乳、 タイヤ、 肥料、 雑貨、 医薬品などの中長距離配送
従業員数:37名
譲渡理由:後継者不在
譲渡方法:株式譲渡

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