日本郵船は4月18日、LPG（液化石油ガス）も燃料として使用できる二元燃料エンジンを搭載した大型LPG・アンモニア運搬船シリーズの3隻目となるVLGC（Very Large Gas Carrier）を、川崎重工業へ発注したと発表した。
同船は川崎重工業 坂出工場で建造され、2024年の竣工を予定している。
1・2隻目と同様にLPGの他にアンモニアを積載することが可能。多様なトレードパターンに柔軟に応えるため、貨物タンクごとにLPGとアンモニアを分けて相積みにすることもできる仕様となっている。
さらに、同船ではLPG二元燃料エンジンに加えて軸発電機を採用することで、航海中に主機からプロペラに繋がる軸の回転を利用して発電し、通常航海中のディーゼル発電機稼働を停止することが可能になるため、少量のパイロット燃料の使用を除いて完全LPG燃料航行を実現可能となる。
LPGを燃料として使用する場合、燃料油焚きの従来船に比べて排気ガス中の硫黄酸化物（SOx）が95％以上、CO2が20％以上削減されることになり、2020年1月から強化されたSOx排出規制に加えて、竣工時のCO2排出量規制であるEEDIフェーズ3にも適合することとなる。
同船は、将来的にアンモニア燃料を使用するために日本海事協会発行のガイドラインに従った準備設計を実施したVLGCとして、同協会から船級符号が付与される見込み。
■VLGC概要
全長：230.00m
型幅：37.20m
深さ（型）：21.90m
夏期満載喫水（型）：11.65m
積載容量：8万6700m3
