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三井不動産/冷凍・冷蔵倉庫含め、年間6~8棟の開発目指す

2022年04月21日/物流施設

三井不動産は4月21日、「三井不動産ロジスティクスパーク」開発から10年を迎えたことから、その10年を振り返りつつ、次の10年を見据えた今後の計画・方針を説明した。

<三木孝行本部長>
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説明したのは、三井不動産ロジスティクス本部の三木孝行本部長。この10年を振り返り「2012年の事業開始以降、国内外開発・運営施設物件数は合計53物件、延床面積約420万m2、累計投資額約7000億円に事業拡大した」とし、「変化する事業環境に迅速に対応し、新たな価値提供に取り組むことで、さらなる事業拡大を図り、社会の豊かなくらしへ貢献したい」と述べた。

物流業界を取り巻く社会環境は一層変化しており、SDGsや脱炭素社会の実現を目指すサステナビリティに配慮した取組みが強く求められている。また、人口減少やEC市場の急拡大による深刻な労働力不足に対応するために、物流のDX化も重要。同時に、コロナ禍における感染症対策の強化等、テナントニーズは多様化している。

このような社会環境の変化とテナントニーズに対応するため、次の 10年を見据え、「サステナビリティ」「DX」「多様化するテナントニーズ」「コロナ対応」を挙げている。

<MFLP 海老名Ⅰ>
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「サステナビリティへ」の取り組みでは、新規物流施設の屋上には太陽光発電設備を最大限設置し、既存施設についても、積極的に太陽光パネルの設置を進めている。また、蓄電池を利用した自然エネルギーの更なる活用の検討も進めている。実例として、新規物件であるMFLP 海老名Ⅰ(2022年9月竣工)には、太陽光発電設備を最大限に設置し、DBJ Green Building 認証を取得する予定。また、ZEB認証取得に加え、再生可能エネルギーの 100%供給により施設全体のCO2排出量実質ゼロを目指した環境配慮型施設「グリーンエネルギー倉庫」として開発中だ。

生態系保全の取り組みを実現する「MFLP 市川塩浜Ⅱ」では、多様性・周辺環境へ配慮した生態系保全の取り組みとして、グリーンインフラを整備。「再生緑地」を設置し、雨水を利用したバードバスなど周辺地域に生息する動植物の拠点を目指している。

<脱炭素に向けた三井不動産グループ行動計画>
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「サステナビリティへの取り組みは三井不動産のグループ行動計画に基づくもので、グループ全体の温室効果ガス排出量を、2030年度までに 40%削減(2019年度比)、2050年度までにネットゼロを新たな目標として、2021年11月に掲げている」とグラフを示しながら三木本部長は説明した。

「DX」については、最新のDX技術を活用し、入居テナントの配送・庫内の業務効率や従業員満足度の向上を目指し様々なデジタルソリューションの提供をしていく、としている。倉庫内業務効率化のための車両管理システム、三辺計測システム、作業動線導出等や、従業員サービスの向上のために、施設設備のWEB予約管理や、カフェテリア、トイレの利用状況可視化等を実施していく。

「多様化するテナントニーズに対応」では、すでに3棟開発しているデータセンター事業や冷凍・冷蔵倉庫の展開、アーバン型倉庫の展開を挙げている。

三木本部長は「冷凍・冷蔵倉庫については、今の所はBTS型になるが、ぜひとも本年度中に開発を進めたい。アーバン型倉庫の開発はEC需要の増加による、ラストワンマイル配送網のニーズの高まりをうけ、都心近郊型配送拠点としてのアーバン型倉庫の開発を進めている。新築だけでなく、既存物件の建て替えといったことも十分考えられる」と話した。

<三井不動産9BOX 感染対策基準>
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「コロナ対応」では、同社の基本的感染症対策に加え、IoT技術を活用したアドバンスト対策を強化していくとしている。三井不動産9BOX感染対策基準にプラスして、「エレベーターの非接触」「サーマルカメラの設置」 「非接触 QR コード発券機」「トイレ利用の見える化」等を挙げている。

最後に、国内運営体制の強化を図るとして、サステナビリティの推進と入居テナントの更なる満足度の向上を目指し、ロジスティクス事業部から運営機能を独立させた、ロジスティクス運営部を新設し運営体制を強化する。

三木本部長は「現在、開発中の物件は16物件で、2022年度中に7物件が竣工予定。土地の取得は相変わらず大変だが、入札には頼らず、土地のオーナーとの共同開発や、時間はかかるが区画整理の土地等で開発を進めていきたい。今後も年間6~8物件の開発を進め、その中にデータセンターや冷凍・冷蔵倉庫も必ず含めていきたい」と抱負を語った。

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