日立物流は4月28日、「中期経営計画2024(LOGISTEED2024)」を同社の髙木宏明社長(COO)が説明した。
髙木社長はまず、LOGISTEED2021の振り返りで、「一定の成果を得られたものと確信している」とした上で、中期経営計画(LOGISTEED2024)の目指す姿を「アジア圏3PLリーディングカンパニー」としている。
そのための重点施策として、「海外事業の強化・拡大」、「新たな付加価値による事業領域の拡張(LOGISTEEDの加速)」、「スマートロジスティクスの強化」、「ESG経営の基盤強化」を挙げている。
「海外事業の強化」では、M&Aの全地域展開:北米(輸送)、欧州(3PL・フォワーディング)、インド(輸送)、重点エリアへの投資:インド・タイ・インドネシア・マレーシア(自動車、食料品、日用品他)、中国(自動化・省人化他)で、これまで以上に海外進出を図る計画だ。これは、今期の日立物流の売上高が、国内では伸び悩み、海外フォワーディングで堅調な伸びを見せたことにもよる。より積極的に海外市場を目指す表れだ。
「新たな付加価値による事業領域の拡張 (LOGISTEEDの加速)」では、サプライチェーンの課題解決、DXによる可視化と最適化の提案、製造と物流の境界領域における新サービスの拡大、VASの展開を図る。
「スマートロジスティクスの進化」では、システムと機械が連動した自動化・省力化、DXによる労働環境の向上、三温度帯倉庫や危険物倉庫などの倉庫機能強化・充実化、SSCVの活用による輸送事業強靭化と2024年問題・脱炭素化への対応を挙げている。
「ESG経営の基盤強化」では、災害対策・リスクマネジメントの遂行、 高度かつ持続的な安全・品質活動、 脱炭素活動の加速、 VC活動の継続・拡大、DX・LT、グローバル展開のための人財強化を重点施策としている。
このために、戦略的な投資として「LOGISTEED2021」では1041億円だったが、さらに拡大して1750億円の投資を行う。
髙木社長は「『LOGISTEED2024』では、『LOGISTEED2021』を盤石化するとともに、よりグローバル化し、アジア圏3PLリーディングカンパニーへ」挑戦する。そして、長期的なビジョン『LOGISTEED2030』では、売上高1.5兆円、CO2を50%削減、海外比率を50%にすることで、グローバル3PLリーディングカンパニーを目指す」と話した。