日立物流は4月28日、日立製作所が日立物流の約40%の株式を売却する意向を受け、それに対応して進めてきたLOGISTEED戦略を共に進めるパートナー選定で、KKRに決定したと発表した。
この選定にあたり、日立物流の中谷康夫会長(CEO)は「この選定にあたり、私どもが求めたのは透明・公正なプロセス+株主価値の最大化。この3つの視点で検討してきた。これは、同社の成長戦略に資すること、同社の全株主に対して機会が付与されること、同社の株主が納得する価格であること。検討の結果、KKRをパートナーとして選定した」と話した。
KKRは、プライベート・エクイティ、エネルギー、インフラ、不動産、クレジット、ヘッジファンドなど複数のアセット・クラスを手掛ける世界有数の投資会社。KKRは日立物流の普通株式をHTSK(公開買付者)を通じて公開買付け(本公開買付け)により取得する。結果として、公開買付親会社の議決権の90%をKKRが、10%を日立製作所が保有することとなる。
KKRをパートナーに選定した理由について「日立物流への評価が最も高く(現在+将来)、海外事業の強化・拡大に向けて、豊富な投資経験に基づく知見や人的リソース、投資先企業等のネットワーク活用が可能であること。そして、最も重要なのが、出資を主体とした非LBO型のストラクチャーであり、同社財務面での柔軟性が維持できること。その結果、戦略推進維持・拡大が可能であること。さらに、事業会社を共同出資パートナーとして招聘することについて、認識を共有している。将来のIPOを見据えたエグジット戦略を持っている」ことを中谷会長は挙げている。
そして、中谷会長は「LOGISTEED2030のめざす姿を発表したが、KKRとのパートナーシップは大きな意義があると思う。我々のめざす姿の実現を可能にしてくれるものだと思っている」と述べた。
KKRによると、KKR、日立物流、日立製作所は、継続的な協議・交渉の結果、普通株式1株につき、公開買付価格を8913円とし、自己株式取得価格を6632円とすることで合意に至っている。本公開買付けにかかる資金の大半はKKRアジア4号ファンドにより賄われ、健全な有利子負債水準を維持することで、日立物流の継続的な成長を可能にする方針だ。