日立物流は5月27日、グループ会社の ESA s.r.o(ESA社)が、EC事業者向けに返品物流事業(リバースロジスティクス)を提供しているチェコの物流事業会社 Vlková Partners s.r.o(VP社)から事業を譲り受けることで合意したと発表した。
VP社は、欧州で最大手のEC事業者グループの1社を顧客としており、近年の欧州における旺盛なEC需要を背景に、アパレルECの返品業務を受託して事業を拡大してきた。ESA社はこれまでもVP社から業務の一部を受託し、パートナーシップを構築してきたが、今後ますますリバースロジスティクスが拡大するという判断のもと、すべての事業を譲り受けることを決定した。
日立物流グループは中期経営計画 LOGISTEED2024において、「海外事業の強化・拡大」を重点施策の一つに掲げており、まずは今回の ESA社による事業の譲り受けで欧州域内ECのリバースロジスティクス事業をサービスメニューの一つとし、さらなる事業展開をめざすもの。
欧州でのEC市場は、新型コロナウイルスの影響による生活様式の変更や、高いインターネット普及率を背景に、中国、米国に次ぐ第三の市場となっており、今後もさらに成長が見込まれている。また、欧米ではECの返品率は高く、特にアパレルは非常に高い返品率であり、市場の拡大に伴い、返品物量も増加している状況。EC事業者にとって返品対応はマネジメントでの重要な要素の一つともされ、今後、コスト競争力が高い東欧に進出するとの見込みから、リバースロジスティクス事業として同社グループ欧州事業とのさらなるシナジー創出が期待できる、としている。
なお、今回の事業譲り受けによって、ESA社のリバースロジスティクス処理能力は、2024年にはおよそ6倍に拡大する。
■VP社の概要
商号:Vlková(ヴルコヴァ) Partners s.r.o
本社:チェコ共和国 ストジーブロ
事業内容:1. アパレル品の返品業務 2.コールセンター業務 3.データプロセッシング業務
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