富士通は、関連費用の増大や労働人口の減少といった物流業界の課題解決に向けて、物流コストの可視化サービス「Logistics CostAnalyzer」と、ピッキング最適化サービス「Picking Optimizer」を3月から提供している。
「Logistics CostAnalyzer」は、支払物流費・請求金額の自動計算と、BIツール活用による可視化を行うことで、物流改革・改善を支援するクラウドサービス。
荷主企業や物流委託企業は、同サービスを使用することで可視化した支払物流費・請求金額をもとに物流コストを分析でき、物流業務範囲の適正化や非効率な物流業務の改善につなげることができる。
請求金額の自動計算は、運賃だけでなく、倉庫料・荷役作業料など、さまざまなシーンで発生する一連の支払物流費・請求金額の算出が可能。
支払物流費・請求金額は、BIツールによって日別や商品別など多様な切り口で可視化が可能で、コスト削減の施策検討に活用することができる。
「Picking Optimizer」は、1人のピッキング作業者が同時に複数の出荷先への商品をピッキングする「マルチオーダピッキング」作業を最適化し、庫内ピッキングの作業効率を向上させるクラウドサービス。
富士通独自のオーダー組合せ最適化と作業順序最適化の2つのアルゴリズムを用いたピッキング最適化エンジンによる作業の効率化が可能で、使用している物流システムを同サービスにインタフェースさせるだけで、容易にサービスの導入と作業効率の向上を実現できる。
同サービスは、実際の倉庫レイアウトと出荷指示のデータに基づく検証を実施したうえで導入を推進。卸売業A社(6マルチカート使用、平均ピッキング作業者数100人/日)では、同サービスの提供でピッキング作業者の総移動距離を16.8%削減(限定規模での運用)することに成功しており、実データに基づくシミュレーションではフル稼働時に29.6%削減できるという試算結果が出ている。
椿本チエイン/KDDIの合弁会社と物流倉庫業務効率化サービス提供