商船三井は6月29日、シンガポールで初となる自動車船に対するバイオ燃料供給に成功したと発表した。
<シンガポール港でバイオ燃料の供給を受ける自動車船「Heroic Ace」>
商船三井が運航する自動車船「Heroic Ace(ヒロイック・エース)」が6月11日、シンガポール港で荷役中に、トタルエナジーズ・マリン・フュエルズからバイオディーゼル燃料の供給を受けた。補給されたバイオ燃料は、アラブ首長国連邦・ジェベルアリ港に向けた航海で使用している。
このバイオディーゼル燃料は、低硫黄重油にISCC(International Sustainability & Carbon Certification)の認証を受けたバイオディーゼル燃料を2割混合したもので、廃食油由来の原料を使用している。
従来油との比較では、ライフサイクルアセスメントで17%のGHG(温室効果ガス)排出量の削減効果が期待されており、商船三井による試験航海でも舶用エンジン・補機との適合性が高く、安全に消費、運航されることを確認している。
商船三井は、2050年までにネットゼロエミッションを達成することを中長期目標に掲げた「商船三井グループ 環境ビジョン 2.1」で、バイオ燃料を化石燃料に変わる有効な代替燃料として位置付けている。
トタルエナジーズ・マリン・フュエルズとは、北西ヨーロッパと地中海地域での舶用液化天然ガス(LNG)供給のために、燃料供給船2隻を共同開発。また、シンガポールでは舶用アンモニア燃料サプライチェーンの確立を目指したコンソーシアムを形成している。
今後も両社は、クリーンで低炭素の代替燃料の導入を促進する新たな共同イニシアチブを模索するために、協力関係を引き続き構築していくとしている。