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商船三井と唐沢農機/農水省のフードバリューチェーン実証に採択

2022年07月13日/国際

商船三井は7月13日、唐沢農機との企業コンソーシアム(共同事業体)で提案したケニアでの小規模精米所ビジネスの事業化検証プロジェクトが、農林水産省の公募した補助事業「2022年度アフリカ等の企業コンソーシアムによるフードバリューチェーン構築実証事業」に採択されたと発表した。

唐沢農機は農業機械修理業を事業化し1992年に創業。農業機械の販売・修理・再生を主に、マーケティングやインターネット事業も展開している。

商船三井は2014年5月、同社全額出資のKiliMOL(キリモル)を設立。唐沢農機と業務提携しアフリカへの農機輸出事業を手掛けている。KiliMOLによるケニアでの日本の中古農機導入デモンストレーション等の活動経験やネットワークを活かして、同コンソーシアムで2023年3月までに、ケニア最大の灌漑事業区ムエア地区およびビクトリア湖周辺のキスム地域で、“村の精米所”(民間の小規模精米所)ビジネスの事業化検証を行う。

<2021年9月にケニアで実施した日本の精米機導入デモンストレーションの様子>
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ケニアをはじめ東アフリカでは、米の生産が年々盛んになっている一方、技術発展の遅れから数多くの課題がある。精米分野では、路上での天日干しによる石や塵の混入、水分量の偏りによる砕米の発生、海外から大型の精米機が導入されているものの、施設の老朽化による品質低下や、精米施設数が少なく偏在しているため、生産された米が他国へ流出しているケースや、小規模農家自らが自家消費分の米を充分に確保できていないなどの課題がある。

同コンソーシアムはこれら課題の解決のため、ムエア地域ならびにキスム地域に総数20か所の小規模民間精米所を設置する実証実験を実施。今年9月に現地へ日本メーカー製の精米機を20台輸送し、デモンストレーションおよび技術指導を実施し、その後数か月間、現地農家等による“村の精米所”システムの試験運用により、事業化検証を行う。

同事業化検証の実施にあたっては、同コンソーシアムおよびKiliMOLの他、現地パートナーとして、KAI GLOBAL(カイ グローバル)も協力。

唐沢農機の日本国内での機材調達力や農業機械の修理整備に関する技術、商船三井グループの安定した輸送力と現地拠点の活用、およびKAI GLOBALの現地での米栽培・流通に関する知見と現地ネットワークを活かした連携により、現地の農業技術発展、農業機械化の実現に向けた取り組みをさらに強化する。

商船三井は、地域戦略を営業戦略の要に据え、今後人口増加が見込まれるアフリカ市場においても、商船三井グループとして農機販売のみならず、そこから派生したロジスティクス・農業分野における新規事業への参入を通じて、現地のフードバリューチェーン構築や貧困問題の解決への貢献を目指すとしている。

■KiliMOL概要
商号:KiliMOL
住所:東京都港区虎ノ門2ー1ー1
事業内容:越境Eコマースサイトを活用したアフリカへの農機輸出事業
https://kilimol.net/

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