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人手不足/正社員業種別「運輸・倉庫」36.0%から59.4%へ大幅増

2022年08月29日/調査・統計

帝国データバンクは8月29日、「特別企画:人手不足に対する企業の動向調査(2022年7月)」を発表した。

<正社員の人手不足割合推移>
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企業の人手不足感が高まってきた。人手不足が最も顕著となっていた新型コロナ禍前の水準に、既に近づきつつある。コロナ禍 3 年目となり徐々に景況感が回復傾向にあるなかで、人手不足が企業の成長を阻害する要因となれば、国内経済にも影響を与える可能性がある。また、人手不足による倒産も一部でみられるなど、今後も企業経営への悪影響が懸念される、としている。

<正社員の人手不足割合(上位10業種)>
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業種別においては、それぞれで人手不足の高まりがみられる。「旅館・ホテル」は66.7%となり、業種別でトップ。「運輸・倉庫」は2020年の36.0%から59.4%と大幅な増加で、業種別では5番目となった。

全業種での正社員人手不足割合は 47.7% 前年同月比7.0 ポイント上昇、半数に迫る高水準。2 年前と比較すると17.3 ポイントの大幅上昇となった。

<「正社員」人手不足企業の賃上げ動向>
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正社員の人手が不足している企業での賃上げの動向についてみると、2022年度に「2%以上の賃上げを実施」した企業は41.7%となり、全体(36.9%)を4.8ポイント上回った。また、「2%未満の賃上げを実施」は 30.8%と 3 割を超え、合計すると人手不足企業のうち 72.5%が2022年度に賃上げを行っていた。一方、「賃金を据え置き/引き下げ」は18.8%、「分からない」は8.8%で、いずれも全体を下回った。

今後の見通しでは、コロナ禍の状況や、景況感によってはさらに人手不足割合は上昇することも予想される。こうした状況が続けば、さらに苦境に陥る企業も増加しかねない。帝国データバンク「全国企業倒産集計2022年7月報」によると、2022年1~7月の人手不足倒産は 76件発生し、前年同期(59件)を17件上回り、2年ぶりに増加へ転じた。

人手不足は自社のみならず、例えば取引先など周囲でも経営リスクとなっている可能性がある。企業にとって欠かせない資産である「ヒト」に関して、数・質ともにこれまで以上に重要視される項目となるだろう、としている。

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