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ジオテクノロジーズ/すぐに簡単、物流DXアプリ月2000円で提供

2022年10月11日/IT・機器

ジオテクノロジーズは10月11日、「トラック対応ナビ」「集荷配送カルテ」「動態管理」の3つの機能を統合した物流DXサービス「スグロジ」を開発、都内で報道向け発表会を開催した。

<物流DXサービス「スグロジ」を発表>
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同社は1994年、パイオニアの子会社として創業した地図のメジャーカンパニー。2021年に独立し、社名をジオテクノロジーズに変更、物流向けサービスとしてはこれまで、デジタル地図や地図APIの提供などを行ってきた。

今回、新たに同社が開発した「スグロジ」は、専用端末不要でスマホとPCのみで導入可能な物流アプリ。物流業界が抱える「2024年問題」の解決と、脱炭素配送の実現をめざすもので、主にトラック物流事業者6万2000社の99%を占める、中小規模の運送会社をターゲットとしている。

<執行役員 メタバースBUアプリケーション 豊田俊作 統括>
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発表会では、まず執行役員 メタバースBUアプリケーション 豊田俊作 統括が登壇。「物流の中小事業者の経営状況は平均して0.4%の赤字となっている。2024年を前に人件費・燃料費ともさらに上昇が見込まれ、それに加え脱炭素への取り組みは中小企業においても待ったなしの状況。企業存続において配送効率化は必須課題であり、燃料の効率化は脱炭素にもつながる」と事業化の背景を説明した。

開発にあたり同社は、中小企業経営者やドライバーにヒアリングを実施。課題を洗い出し、1.トラック対応カーナビゲーション、2.集荷配送先情報の共有、3.動態管理システムの3つの点に集約して「スグロジ」を商品化。これら3つの機能を1つにした物流DXサービスの提供は、同社が初めてだという。

「スグロジ」を活用することで、トラックドライバーは業務連絡、集荷配送先の情報、配送先までのナビゲーションなどを、スマートフォンひとつで確認でき、配送時間が短縮できる。運行管理者は、従来、口頭や紙でドライバーへ伝えていた集荷配送先情報をデジタル化することで、伝達漏れを防止でき、また動態管理機能により、ドライバーの位置をリアルタイムに把握することで的確な指示、組織行動のスピードアップにつながる。

サービス利用契約後、ドライバーは普段使用しているiOS、Androidのスマートフォン上でアプリをダウンロードし、ログインするだけでサービスを利用できる。同様に運行管理者も普段使っているパソコンからサービスサイトにログインするだけで、サービスを利用することができる。

<籾山一俊マネージャー>
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続いて、開発を担当したメタバースBUアプリケーション 籾山一俊マネージャーがそれぞれの機能について説明。このうち、「トラック対応ナビ」は、従来のナビゲーション機能に加え、車両サイズに合わせた情報を考慮しながら、最適なルートを案内する機能や、大型車規制・渋滞予測情報の表示が特徴。また、大型車やトラックを停車できるコンビニ、ガソリンスタンドなどをワンタップ検索し、3D表示することも可能だ。

<車両に合わせたルートを案内>
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「集荷配送カルテ」は、配送先の住所など基本情報や、搬入口、納品などに関する詳細情報機能に加え、工事や注意事項などをドライバー自身が書き込める「カキコミ」機能が特徴。これによりドライバーと運行管理者間でタイムリーかつ円滑な情報共有も可能となる。さらに「動態管理」機能のほか、「お知らせ機能」として業務連絡やカルテ情報の更新など管理者側から、ドライバーへの一斉連絡を行うことも可能となっている。

< 集荷配送先情報を確認できる機能と地図メモ機能>
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<「動態管理」機能>
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このほか、「スグロジ」はジオテクノロジーズが開発したポイ活アプリ「トリマ」と連携できるのも特徴だ。「トリマ」は、移動することで報酬(マイル)を貯めることができるアプリケーションで、2020年10月現在でダウンロード数1000万超。籾山マネージャーは、「物流業界は賃金の状況も苦しいが、ヒアリングの結果、ドライバー側は賃金を上げてほしい、経営者も賃金を上げたくないわけではないということが分かった。『トリマ』はドライバーがよく利用するコンビニやガソリンスタンドと親和性が高く、上手く活用することで、スグロジでの業務効率化と併せて収入(ポイント)増加につながれば」と話している。

<移動するだけでポイントが貯まるアプリ「トリマ」と連携>
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この後、実際にスマートフォンの画面でデモンストレーションを行い、「スグロジ」の使い方を説明。通常のカーナビと同様、目的地や車両サイズなどを入力すれば、画面上で最適ルートや配送先カルテが表示される様子が披露された。なお「スグロジ」利用料金は、初期費用0円(既存PCとスマホのみ)で、月額利用料金はドライバーまたは運行管理者1名あたり2000円。2022年12月31日までの申込限定で、利用申込月から最大3か月間無料キャンペーンを実施している。

<実際の画面を使ったデモンストレーション>
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今後の展開について、「さらなるサービスの充実を図るため、自社で蓄積した人、車、トラック等の位置情報、道路、建物の地図変化情報や気象情報、危険情報を組合せたサービス開発を進めていく。位置情報を用いた未来予測を行う『Geo-Prediction』を体現する企業として、より安全で効率的な輸送を実現するための物流向けの情報サービスを提供し、物流業界が抱える2024年問題の解決を目指す」と同社。「スグロジ」の売上目標については、1億5000万円を早期達成したいとしている。

さらに同社は、物流関連の大手事業者や安全運転支援システム事業者等、複数社との協業を進めており、今月3日にAZ-COM丸和ホールディングスとの協業も発表している。両社は「スグロジ」プラットフォームをもとに、宅配等の配送分野に最適化したソリューションを開発、AZ-COMブランドで展開する予定だ。

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