LNEWSは、物流・ロジスティクス・SCM分野の最新ニュースを発信しています。





景気動向/運輸・倉庫5か月ぶり悪化、燃料高騰や人手不足下押し

2023年02月03日/調査・統計

帝国データバンクは2月3日、景気動向調査(2023年1月)を発表した。

発表によると、国内景気は生活費の上昇に加え、設備稼働率の低下で生産・出荷が振るわず、2か月連続で悪化となった。業種別では10業界中7業界、51業種中37業種で悪化。依然として原材料価格の高止まりや電気代などエネルギーコストの増加は、企業活動の負担となっているようだ。

<全国の景気DIの推移(2023年1月時点)>

20230203tdb1 520x207 - 景気動向/運輸・倉庫5か月ぶり悪化、燃料高騰や人手不足下押し

「運輸・倉庫」についてみると、前月比2.7ポイント減となり、5か月ぶりに悪化した。「燃料費、車両費、整備費全てが上昇している」(一般貨物自動車運送)というように、燃料価格の高騰を筆頭に経費増が重くのし掛かり、さらにドライバー不足なども下押し要因となった。また倉庫などで生鮮品等を扱う場合は、終日の温度管理が必要となり電気代高騰は死活問題となっている。

景況感については現在「倉庫の保管料金や運賃の値上げが思うように進んでいない。破綻する運送業者も多く、厳しい状況である」(組立こん包)という切実な声も。また先行きについて「足元の景気が悪く、荷主との価格交渉も難化する。一方で2024年問題による同業の廃業やM&Aの淘汰が進み、1年後をメドに業界全体としては若干改善の兆しが見え始める」(一般貨物自動車運送)と予想する声もあった。

地域別では、全国的に新型コロナ感染が落ち着きを見せてきたなか、41都道府県すべてが悪化した。降雪による費用負担なども景況感を下押しした。規模別では、「大企業」が前月と同水準だった一方、「中小企業」「小規模企業」は2か月連続で悪化。今後の予想としては、海外経済情勢などの不確実性が高まるとみられるものの、おおむね横ばい傾向で推移する見通し。

<価格転嫁の動向>
20230203tdb2 520x301 - 景気動向/運輸・倉庫5か月ぶり悪化、燃料高騰や人手不足下押し

このほか、価格転嫁の動向についても注目している。価格転嫁率は全体で39.9%、バリューチェーン別では「卸売」の転嫁状況と比較すると「製造」や「小売」関連は苦戦がみられる。とりわけ、全商流に関わる「運輸・倉庫」は価格転嫁率が20.0%と厳しさが表れている。

関連記事

調査・統計に関する最新ニュース

最新ニュース